国立脳センターへ導入 富士フイルム 医療データ共有システム

 富士フイルム・インドネシアは15日、東ジャカルタ・クラマットジャティのインドネシア国立脳センター病院(PON)で、同社の手掛ける医療データの共有システム「PACS」の導入と運用サポートに関する覚書の締結を発表した。式典にはニラ・ムルック保健相が出席した。
 同システムはレントゲンやCTスキャナーなどの画像データを保管・共有するサーバーを中核にしながら、病院ごとのニーズに合わせたオプションを追加できる。第4次産業革命(インダストリー4・0)とも親和性が高く、将来的にはAIを活用したオプションの展開も視野に入れている。
 脳卒中の治療では、血栓の発生から周辺の脳細胞が壊死に至るまでの時間(ゴールデンタイム=約3時間)に処置を施すことが、症状を最小限に抑える鍵となる。そのため、今回のPACS導入にあたっては脳卒中の早期発見と治療に特化した機能も充実させた。
 画像データを遠隔地からタブレット端末で確認できたり、CTスキャンを基に3次元画像を構築し、手術のシミュレーションを行ったりすることも可能だという。今後はPACSの運用サポートを行いながら、より同院のニーズに沿ったシステムを構築していく。
 PACSは2018年からインドネシアでの販売を開始し、これまで国内5カ所の医療機関に導入実績がある。価格は非公開で、サーバーの容量や追加するオプション、仕様などにより異なるという。
 富士フイルム・インドネシアの川久保典之社長はPACSを、同社の医療ビジネスで「中核になる製品」と位置付ける。11年の設立以来、同社をけん引してきたデジタルカメラの市場が、中間層に行き渡って「踊り場」に入った状態となり、医療分野を売り上げ全体の半分程度まで伸ばしていきたいと語る。インドネシア唯一の脳医療に特化した医療機関であるPONへの導入をきっかけに、同システムの優位性を国内に広めたい考えだ。(高地伸幸、写真も)

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