労働者窓口を開設 賃金問題など仲裁も 警視庁
警視庁は1日、中央ジャカルタの庁舎内に労働問題を扱う専門窓口を新設した。賃金未払いなど労働者の相談を受け付け、企業の刑事責任をめぐる捜査や、企業側との仲裁による紛争解決を図る。
ムルドコ大統領首席補佐官によると、4月26日に西ジャワ州ボゴール市のイスタナ(大統領宮殿)で行われた、ジョコ・ウィドド(通称ジョコウィ)大統領と労働団体代表らの会談で窓口設置が合意され、メーデーに合わせて正式に開所した。
労働者は最低賃金をめぐる違反や労働組合の禁止・強制的な排除、給料や労働保険(BPJSクテナガクルジャアン)の未払いなどについて、窓口を通し警視庁に申し立てることができる。
警視庁は労働者の主張を確認した後、刑事事件としての捜査の必要性を検討、捜査が不要と判断されれば庁舎内で人事部と労働者の対話を仲裁するという。
窓口の開設を受け、インドネシア経営者協会(アピンド)は「警視庁の適切な対応を信じる。デモではなく対話が進むことを期待する」としている。
一方、メーデーに日系企業に対する抗議活動を展開した人民民主労働組合(SEDAR)のサイフル・ウムル代表は「これまでも警察に労働問題を訴えてきたが、何も対応はなかった。影響はない」と話した。(大野航太郎、写真も)