ハイブリッドSUV発売 トヨタC―HR 将来性に期待
トヨタ自動車の現地販売法人、トヨタ・アストラ・モーター(TAM)は22日、小型多目的スポーツ車(SUV)C―HRのハイブリッドモデルを発売した。国内のハイブリッド車市場は未発達な一方、政府が普及を支援する姿勢を示しており、将来性に期待する。
販売価格は5億2335万ルピアで、すでに販売されているガソリンタイプよりも3千ルピアほど高額になる。35歳以上の高所得者をターゲットに、月30~40台の販売を目指す。
TAMは2009年以降、プリウス、カムリ、アルファードのハイブリットモデルを販売しているが、販売台数は他の車種に比べ微々たるものだ。C―HRについても、「いきなり(販売台数が)大きく伸びるとは思っていない」(中田佳宏社長)とし、長期的に取り組む姿勢を見せている。
普及に向け期待がかかるのが、政府が進める自動車に関する奢侈(しゃし)品販売税(PPnBM)の改正だ。税率設定基準を現行の排気量から、二酸化炭素の排出量に変更、環境適応車への優遇措置拡大も行われる。中田社長は「8月から10月ごろにアナウンスがあるのでは」とし、価格面での競争力強化に期待できるとした。
トヨタ本体はこのほどハイブリッド車関連の特許2万3740件を無償開放し、市場規模拡大を図っている。ハイブリッドモデルのラインナップも拡充して行く方針で、インドネシアへも継続して展開していくという。
一方で、第1四半期の自動車販売台数は、大統領選を控えた様子見、買い控えを背景に市場全体で13・1%減(インドネシア自動車工業会、工場出荷ベース)となる苦しい状況だった。中田社長は「予想以上に下がった」と振り返り、選挙結果確定後の市況回復に期待した。(大野航太郎、写真も)