165人の門出祝う JJS卒業式 小学部は50回目
バンテン州南タンゲラン市のジャカルタ日本人学校(JJS、米村博司校長)は16日、卒業式を開いた。小学部6年103人、中学部3年62人の計165人が巣立ち、在校生、教職員、保護者、学校関係者らが門出を祝った。
小学部は第50回、中学部は第48回の卒業式となった。米村校長は式辞で「これからの人生の中で苦しいこと、悲しいことに出会った時、一人で悩まず、周りの人と分かち合いながら問題を解決できる人であってほしい」「多くの人たちの支えの中で生きていることを忘れないでほしい」と卒業生に語りかけた。
小学部卒業生たちは、皆で順番に言葉をつむいで学校行事を振り返る「別れのことば」を披露、最後は5年生に「50回目の伝統のバトンを託します」と呼びかけた。5年生も6年生との思い出をあげ、「これまでの出会いを忘れずに、模範となる6年生になります」と元気に返した。
中学部の送辞では、中学部2年生の佐久間海樹さんが、生徒会活動で卒業生に助けられた経験を話し、「先輩方の意思を引き継ぎ、より良い学校に成長できるよう頑張っていく」と話した。答辞では、松本翔平さんが「学び舎を巣立ってからの活躍こそが恩返しになる。在校生のみなさんは信じた道を進んで。その道の先に私たちはいます」と意気込みを示した。
祝辞を述べた在インドネシア日本大使館の小野啓一臨時代理大使は、中学部3年の子どもも卒業を迎えた。周りの勧めで進路を考えていた中学生のころ、自分の意思で進路を決める友人の姿に心打たれ、外交の道を志した経験を話し、「自分の道を見つけ、がむしゃらにチャレンジしてほしい」と呼びかけた。
式後、校内には同級生との別れを惜しんだり、保護者と記念撮影をする児童・生徒の姿が見られた。玄関前では、在校生が卒業生を見送る恒例の「送り出し」があり、卒業を祝うくす玉が割られた。小中をそれぞれ卒業した2人の父、松尾守さんは「3年ほど前に転校してきたが、(同級生の)子どもたちがリーダーシップをとってくれて、早めにとけこめた。子どもたちが自発的に(転校生を)受け入れる体制、気持ちを持っていた」と話した。
式にはJJS維持会の石井聡人理事長ら関係者が出席した。(大野航太郎、写真も)