高単価、手堅い需要 JNTO商談会 報奨旅行誘致を促進

 日本政府観光局(JNTO)は16日、中央ジャカルタのホテル・ムリアで、企業の報奨旅行を扱う日本とインドネシアの事業者のマッチング会を開催した。個人旅行よりも単価が高く、手堅い需要を見込める報奨旅行で日本のインバウンド市場の拡大を目指す。日本から11の企業、観光局と地場企業43社が参加した。
 インドネシアからの報奨旅行は、日本での研修や本社訪問を兼ねたり、2輪、4輪の日系企業が優秀な業績を収めたディーラーに贈られたりする場合が多い。多人数による旅行で、報奨としての豪華さや特別な体験が求められるため、消費額が高くなりやすい。
 旅行内容は、大手旅行会社の法人・大口顧客向け部門や専業の旅行会社が、クライアントの要望を受けて組む「オーダーメイド式」が基本で、宿泊先や宴会場の選択肢として日本企業が自社のホテルなどを売り込んだ。
 料亭と結婚式場を経営する八芳園(本社・東京都港区)は、樹齢数百年の樹木を楽しめる日本庭園や、ムスリム向けに食材、包丁、まな板を管理、調理した和食をアピール。都内で日程、宗教面で都合良く、「日本で期待する体験」ができることなどが好評を得た。
 高橋直樹・支配人は「成長を期待できるインドネシア市場に今後も注力していく。どこまでハラルに対応するか、採算をみながら検討していきたい」と話した。
 三菱地所グループでホテル事業を行うロイヤルパークホテルズアンドリゾーツ(本社・東京都千代田区)の猶原剛・課長は「インドネシアで誰も自分たちのホテルを知らなかったが、だからこそこれからやる意味がある。ポテンシャルの高い市場なので、ハラル対応を含め、しっかり展開を考えていきたい」と話した。
 JNTOによると、インドネシアの報奨旅行による訪日者数は2016年の推計で2万1千人だった。またJNTOが17年に調査した43団体・2371人では30~50人のグループが最も多く42%を占め、行き先は関東地方が40%、近畿地方が25%、中部地方が24%だった。日程は5~6日が最多で49%だった。(大野航太郎)

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