旅客数増加率で世界一 スカルノハッタ国際空港 経済成長や低価格化背景に

 国際空港評議会(ACI、本部・カナダ・モントリオール)が世界各地の九百以上の空港の報告を基にまとめた二〇一一年の旅客数調査で、スカルノハッタ国際空港の旅客数増加率が前年比一九・二%で世界トップになったことがわかった。堅調な経済成長や航空運賃の低価格化で空の足が市民に身近になったことなどを背景に、急速な増加を記録した。空港運営会社は、二〇一五年には昨年の羽田空港と並ぶ六千二百万人に達すると予測。手狭になった空港の改修工事に着手して対処するほか、滑走路やターミナル新設案、西ジャワ州カラワンなど他地域での新空港の建設案なども急ピッチで協議していく方針だ。

 スカルノハッタ空港の旅客数は、二〇一〇年の十六位(四千三百九十八万人)から十二位(五千二百四十四万人)に上昇し、十六位のバンコク(四千七百九十一万人)、十八位のシンガポール(四千六百五十四万人)を上回った。
 一〇年の増加率は、上海の二七・二%に続く二位となる一八・四%で、旅客数は十六位だったが、昨年はこれを上回る伸び率を記録。調査対象空港全体の平均増加率は四・九%だった。
 この調査結果について、スカルノハッタ空港を運営する国営第二アンカサ・プラ社のトリ・スノコ社長は地元メディアに対し、国内線が中心の第一ターミナル、国際線が中心の第二ターミナル、カーゴ・ターミナルを改修して対処すると説明。
 本来、第一、第二ターミナルはそれぞれ年間九百万人の受け入れ能力しかないが、現在は定員超過で運営しており、搭乗ロビーなど新たな施設を造り、収容能力を高めていくという。
 また現在、格安航空会社エアアジアと今月五日に運航再開したマンダラ航空のみが使用している第三ターミナルを拡張し、第一、第二ターミナルの改修工事中は他の航空会社の離発着も部分的に第三ターミナルへ移動させる。第三ターミナルは現在の年間五百万人から同二千五百万人への利用者増加を見込む。
 エプロン(旅客の乗降のため航空機が停留する区域)の容量を、現在最大百二十五機から百七十四機まで引き上げるほか、航空機発着回数も年間三十五万八千回から六十二万三千回まで増やす。
 しかし、トリ社長は「二〇一五年に改修工事を終えた時点の年間目標収用能力は六千二百万人。だが二年以内にはその数に達してしまう。さらに二〇二〇年には九千万人に達することも想定し始めている」と述べ、改修工事だけでは急増する旅客数に追いつかないとの見方を表明。建設予定の三本目の滑走路は、約八百ヘクタールの用地収用が遅れており、一四年までに解決しない場合は、空港北部の海岸部など代替地に建設せざるを得ないと指摘する。新滑走路は第四ターミナル建設を見越した計画という。
 インドネシア政府は、スカルノハッタ空港が急増する旅客数に対処できない場合を想定し、東ジャカルタのハリム空港の利用や、西ジャワ州カラワン、首都圏の他の地域での新空港建設案なども協議している。

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