日赤の医師、看護師が支援 仮設診療所のテントで 震源近くのトンペ村

 中部スラウェシ地震の被災地で、日本赤十字社が今月中旬から、医師や看護師を派遣して支援を始めている。25日には、日赤和歌山医療センター医師の古宮伸洋さんと、大阪赤十字病院国際救援課長で看護師の池田載子さんが震源地に近いドンガラ県シレンジャ郡トンペ村に入り、地震で損壊したプスケスマス(保健所兼診療所)の代わりに設けられた仮設診療所で医療アドバイスを行った。

 トンペ村は州都パル市から車で約2時間。損壊したのは、人口約2万1千人のシレンジャ郡にある唯一のプスケスマスで、壁や床の至る所に大きなひびが入り、建物が傾くなど液状化の被害も見られた。
 プスケスマス代表のモー・サレさん(45)によると、同郡では15人が建物の下敷きになるなどして死亡。18人が重傷、171人が軽傷を負い、多くの住民が避難している。プスケスマスのスタッフは、損壊した建物から薬を運び出し、地震後間もなく避難キャンプで診療を開始。その後、インドネシア赤十字社の支援で、17日から仮設テントでの診療が始まった。
 「受付」「薬局」「外来」「入院」などと書かれたテントが並ぶ。1日50人前後の患者が訪れ、プスケスマスやインドネシア赤十字の医師らが交代で診療にあたっているほか、巡回診療も行う。
 ボランティア医師の一人、ピピットさん(29)は「避難キャンプでは水浴びや洗濯をする川の水を、料理にも使っていて不衛生。免疫の低い子どもが下痢などの病気になりやすい」と話す。
 古宮さんと池田さんはこの日、各テントを見て回り、空調が壊れ、高温状態で薬が保管されている薬局用のテントを見直すようアドバイス。けがの治療器具の滅菌方法も改善が必要と分かった。2人は「消毒剤が各テントにあり、ごみも落ちておらず清潔感が維持されていて、劣悪な環境の中でよくやっている」と評価。古宮さんは「これからの雨期にこの設備でどこまでやっていけるのかが課題」と話した。
 日赤は14日に第1陣となる医師と看護師を派遣、11月末まで継続的に派遣する。(木村綾、写真も)

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