JJC秋季慰霊祭 先人しのぶ 伊佐住職は25年目

 ジャカルタ・ジャパンクラブ(JJC)は21日、中央ジャカルタのジャティ・プタンブラン墓地内にある日本人納骨堂で秋季慰霊祭を開いた。石井正文駐インドネシア日本大使や安東義雄総括公使、JJC個人部会の原田幸一会長ら21人が参列した。
 参列者は黙とうの後、慰霊祭への参加がことしで25年目となった長野県久遠山・延壽院(えんじゅいん)の伊佐榮豊(えいほう)住職が読経する中、焼香をあげ先人をしのんだ。
 読経は金曜礼拝前のアザーン(礼拝の呼びかけ)が響く中行われた。伊佐住職は「私の宗派には9千人の僧侶がいるが、こんな読経の経験をしているのは、ありがたいことに私だけ」と朗らかに話した。
 参加者の一部はその後、タナアバンのプラサスティ公園を訪問。第二次世界大戦中、オランダ軍とのジャワ攻略戦で戦死した旧日本陸軍廣安梯隊(こうあんていたい)30人の墓碑に線香を手向けた。
 納骨堂は1931年、日本人会の有志7人が発起人となり、バタビア日本人会共済会を組織し建立。ジャカルタ特別州内に点在していた「からゆきさん」の遺骨や墓碑を10年の歳月をかけて集め堂内に安置した。
 その後、第二次世界大戦、独立戦争の混乱で荒れた墓を見かねた有志が59年に日本人墓地保存会を結成。散在していた墓碑などを納骨堂に集め、60年12月に最初の慰霊祭を行った。以後、春と秋の年2回、慰霊祭が行われている。
 納骨堂の過去帳には約280人の名前が記載されている。(大野航太郎、写真も)

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