ダム湖の底から村出現 西ジャワ州スメダン県 11州で干ばつ深刻化
インドネシア各地で干ばつが深刻化、国家防災庁(BNPB)によると、6日時点で11州111都市888郡・4053村の487万人が影響を受けている。国内2番目の規模を誇る西ジャワ州スメダン県のジャティグデ・ダム(貯水能力9億7950万立方メートル)では、干ばつの影響を受けてダム湖の水位が低下し、ダム設置のために沈んでいた28の村の一部が再び姿を見せた。
BNPBは、乾期がピークとなる9月末に、干ばつが最も深刻になると予測している。地域別の影響人数は、地震で配水管が切断される被害を受けたロンボク島やスンバワ島がある西ヌサトゥンガラ州が9県・市の123万人に上り、最多となった。また、西ジャワ州が22県・市の113万人、中部ジャワ州が28県・市の85万4千人。
水不足のほかに、農家は送水ポンプのレンタル費や燃料代が余分にかかるなどの影響も出ており、各地の災害対策局(BPBD)と連携して3千万リットル超の給水を実施している。
ジャティグデ・ダムは、2015年8月末に貯水を開始し17年4月にフル稼働。広さ約5千ヘクタール。スカルノ初代大統領時代の1963年に建設計画が持ち上がったが、土地収用や立ち退き補償の問題で紛糾、半世紀以上を経て、ジョコ・ウィドド(通称ジョコウィ)大統領時代に完成した。(中島昭浩)