ダナモン出資40%に 子会社化見据え 三菱UFJ銀行
三菱UFJ銀行は31日、民間大手バンクダナモンの株式20・1%を取得し、出資比率を40%まで伸ばすことの許認可を関係当局から取得したと発表した。早期に取得することを目指しており、三菱UFJはダナモンの筆頭株主になる。
株式はダナモンやシンガポールの政府系投資会社テマセク・ホールディングス系の投資ファンドなどから買い取る。追加取得にかかる金額などは非公開。
2017年12月に実施した株式の19・9%取得に続く買収計画第2弾に当たる。
最終的には金融庁(OJK)など関係当局から許認可取得後、73・8%まで出資比率を高め、連結子会社化する方針だ。銀行法で外資の出資は40%までに規制されており、13年には東南アジア最大規模のシンガポール系DBSグループが過半数を取得する特例を認められず、ダナモンの買収を断念したが、「金融当局と長いスパンで検討してきたため、楽観している」(三菱UFJ関係者)という。
ダナモンは中堅中小企業や個人向けの融資分野に力を入れてきた。国営や大企業向け融資に強い三菱UFJが、同分野で早期に顧客基盤を形成することはジャカルタ支店の規模の面で難しい。ダナモン買収により市場の資金需要に総合的に応える体制ができると見ている。
三菱UFJは07年にアコムと共にバンク・ヌサンタラ・パラヒャンガン(BNP)を買収している。「いずれダナモンと統合するだろう」(OJK幹部)との見方もある。(平野慧)