8年連続で最多更新 在留邦人 2.1%増の1万9717人 ブカシで十数%増加
日本外務省は31日、2017年10月1日現在の海外在留邦人調査統計を発表した。インドネシアの在留邦人数は前年比2.1%増の1万9717人で、10年から8年連続で前年を上回り、過去最多を更新した。西ジャワ州ブカシでは十数%増とジャカルタ東部地域の勢いを見せた。全体の日系企業拠点数も同5.6%増の1911となり、2年連続で増加した。
国内に5拠点ある在外公館のうち、在インドネシア日本大使館が管轄するジャカルタ特別州など11州では前年比3.4%増の1万5460人。全体の約8割を占めた。
在メダン総領事館管轄の北スマトラなど6州は前年と同じ271人。在デンパサール総領事館のバリなど3州は同1.2%減の3013人、在スラバヤ総領事館の東ジャワなど3州は同4.7%減の826人、在マカッサル領事事務所のスラウェシ島6州とインドネシア東部4州は同12%減の147人。
長期滞在者(3カ月以上滞在)は同2.3%増の1万8580人で、前年と同じ全体の94%。残りは永住者で、同0.7%減の1137人だった。
2年連続の増加となった日系企業拠点数の業種別内訳は、製造業が同18増の956で、全体の約半分を占めた。卸売・小売業は同37増の249と進出が相次いだ。一方で、情報通信業が同8減の41、宿泊業・飲食サービス業が同2減の17、生活関連サービス・娯楽業が同3減の13と微減した。
在外公館管轄地域別では、ブカシを含む同大使館管轄内が同6.6%増の1653と2年連続で大きく伸びた。一方で、在マカッサル領事館事務所管轄内は同7.1%減の13だった。
在インドネシア日本大使館によると、ブカシ県・市の在留邦人数は、同十数%増と高い伸び率を記録している。19年3月のソフトオープンを目指すパティンバン港建設事業など、ジャカルタ東部地域で日本とインドネシアが進める経済協力とインフラ整備への支援が背景にある。
同地域への進出企業数も増加しており、同年4月の開校を目指す東部ジャカルタ日本人学校(仮称)の設置は、ジャカルタに家族を残し、単身でブカシで仕事して週末に帰る「駐在国内単身赴任」の状態を改善することが目的の一つにある。
同大使館の又平広領事部長は「日本とインドネシアはことし、国交樹立60周年を迎えた。来年にジャカルタと東京都が姉妹友好都市になって30周年を迎えるにあたり、(在留邦人数、日系企業拠点数増加は)大変喜ばしい話。両国の関係が強まっていくのでは」と期待し、今後も邦人社会のニーズに応えるよう、支援を拡充していく姿勢を示した。
世界全体の在留邦人は同1.0%増の135万1970人。国別では、インドネシアは前年と変わらず14位。上位3カ国は、米国42万6206人、中国12万4162人、オーストラリア9万7223人。東南アジア諸国連合(ASEAN)域内でインドネシアは、タイ7万2754人、シンガポール3万6423人、マレーシア2万4411人に次ぐ4位だった。
世界全体の日系企業拠点数は同5.2%増の7万5531だった。首位は中国で3万2349。インドネシアは米国、インド、タイに次ぐ5位を維持。ASEAN域内では、ベトナムが同7.6%増の1816と伸びたほか、カンボジアが同14.4%増の309、ミャンマーが同10.3%増の438と勢いを見せた。マレーシアは同4.9%減の1295で、2年連続で減少した。(中島昭浩)