ワイサック各地で典礼 宗教相「テロと宗教は別物」

 仏教徒最大の行事ワイサックの29日、各地で典礼があった。世界遺産ボロブドゥール寺院遺跡群がある中部ジャワ州マグラン県では、各地からの僧侶や旅人でにぎわう中、テロを警戒して警察や国軍が計1617人態勢で警備に当たった。ルクマン・ハキム宗教相は、頻発するテロ事件と宗教を結びつけないよう呼びかけた。 

 ワイサックは、ブッダの誕生、成道(悟りを開くこと)、入滅を祝う大祭。29日で仏暦2562年を迎えた。
 ボロブドゥール寺院周囲にあるメンドゥット寺院などからは、「道半ばであることを意識し、平穏を保つための精神鍛錬」のため、千人規模の僧侶が仏教特有の傘を手に大移動し、夜の礼拝に参加した。年配の僧侶は船をかたどった車に乗って続いた。東南アジア諸国連合(ASEAN)諸国の若い僧侶もそれぞれのけさや法衣をまとって参加した。
 地元メディアによると、ボロドゥール寺院のイベントに出席したムスリムのルクマン宗教相は「極端な解釈や行動を宗教と結びつけてはならない。私たちには穏やかな観点から改めて宗教の理解と実践を構築していく義務がある」とスピーチ。イマム・ナフラウィ青年スポーツ相は、ことし8月に開幕するアジア大会の成功を祈った。
 夜にはランタンを飛ばすイベントがあり、多くの人が神秘的な景色に見入った。運営側によれば、6千個のランタンが用意された。
 一方、約1万人が訪れた西ジャカルタ区のエカヤナ仏教徒センターには、ジャカルタ特別州のアニス・バスウェダン知事が姿を見せ、多様な民族、宗教の人がいるジャカルタの友好と調和を呼びかけた。
 北ジャカルタ区アンチョールのロダン・ラヤ通りにある大叢山西禪寺では、朝と夜の礼拝に約3千人が来場。代表のスギアント・クワンさん(63)は「仏教徒にとって大変重要な日。それに加え、宗教や民族を超えた平和を祈りたい」と語った。(中島昭浩)

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