世代を超えて交流 第30回総会に55人 ひまわり会
インドネシア人男性と結婚した日本と縁のある女性の集まり「ひまわり会」は5日、南ジャカルタの日本料理店「寿司天国」で第30回総会を開き、会員約55人が集まった。世代を超えて価値観を共有し、「つながり」を大事にしながら活動を続けていく。
同会は1960年代の戦後賠償留学生制度で日本に留学したインドネシア人男性と結婚した女性たちが中心となり、97年6月に設立された。現在同会に所属するメンバーは約180人。定期的に会合が開かれているほかに分会がある。
夫に先立たれた女性たちの集まり「コスモス会」や、30〜50代が中心になって集まりランチを楽しむ「ムラティ会」、メンバーの子どもたちが中心になってイベントを企画、活動する「日本語お楽しみジュニア会」がある。また、分会それぞれの活動報告や会員たちからの寄稿文や生活情報などを盛り込んだ会報を発行している。
かつて東京農工大学に勤務していた年子スバイダーさん(81)は留学生だった夫と結ばれ、68年に来イしてからことしで50年になる。
65年に発生した共産党系将校のクーデター未遂事件「9月30日事件」後にスハルト政権が発した戒厳令下で、「女性は外に出ない方がよい」と言われていた時代だった。
「仕事もなく生きていくのに大変な時代で、ピサンゴレンを作って売るような仕事も経験した」と来イ当時を振り返る。三菱自動車の現地法人や販売会社に勤務。50歳で夫と死別した後も、77歳まで働き、3人の子どもを育て上げた。
父に「嫌なことがあっても帰ってくるな」と言われて渡ったインドネシア。「今月にはひ孫が生まれます」。50年前と比較してビル建設や道路インフラの整備も進んだが、年子さんを支えたインドネシアの家族を大事にする文化は現在も生き続ける。
高齢化でこの1年間で亡くなる人もあり、会員数は減少した。しかし、新たな若い世代の参加もある。
岡崎未祐さん(26)は2016年に来イ、総会に初参加した。「いろいろな話題で意見交換ができる。出産などの人生のさまざまなステージで、大先輩から貴重なアドバイスもいただきたい」と話す。「つながりを大事にしていきたい」という思いから今後も活動に参加していく。(平野慧、写真も)