【おすすめ観光情報】文明を拒否した村 西ジャワ州タシックマラヤ県カンプンナガ
ジャカルタから日帰りで行ける観光地の一つにバンドンがあります。そのバンドンから車で約3時間ほど行ったタシックマラヤ県に「カンプンナガ」と呼ばれる村人200人ほどが暮らす小さな村があります。今回はこの村を紹介したいと思います。
カンプンナガという言葉は、インドネシアで生活をしていると一度は聞いたことがあるのではないでしょうか? 「カンプン=村」「ナガ=竜」で竜がすむ村という意味であるように、うねった川沿いにその村はあります。山間には棚田が作られ、スンダ人の伝統的な家屋が立ち並び、電気やガスを使わずに生活する昔ながらの伝統を保持する村として知られています。
■プロパンガスを拒否
過去には、祖先の伝統的な習慣を持続するために外部の人が入ることを拒否することもありました。また、政府からプロパンガスに切り替えるようにとの方針を受け入れず、伝統を守るために灯油ランプの使用の特例を受け入れるように要求しましたが受け入れられず、その結果、観光客の受け入れを拒否するなどの衝突も起こっていましたが、現在では、一般の人もこの村に足を踏み入れることができ、インドネシアも国規模でこの伝統村を守ろうとしています。
村に入るときにはいくつか約束事があります。まず、現地のローカルガイドを雇うこと、そして神聖な場所がいくつかあり、撮影ができないポイントもあるので、必ず引率するガイドに従うこと。観光する際には、村民全員が守る伝統・習慣を壊さず、尊重することを心がけることが必要になります。
■ごみが一つもない
私はインドネシアに来て間もない頃にこの村を訪れたのですが、まず驚いたのが、村共有の田んぼ、トイレ、道にごみが一つもなかったことです。インドネシアに来た当初はジャカルタでもどこでも街の中にごみが散乱しているのにショックを受けていました。ですからこの村に来たときには逆にごみがなかったことに驚きました(笑)。
男性は昼間は、家畜の鶏に餌をやり、のんびり楽器や釣りを楽しむ。女性はかまどでご飯を炊きながら、洗濯に励む。子どもらはサッカーをしたり、パパイヤの樹脂を爪に塗っておしゃれを楽しんだりするのんびりとした風景がとても印象的でした。
■村に戻る人も
ちょうどこの村を訪ねたとき、同行させてもらったインドネシア人がこの村の人と知り合いと聞きました。その知り合いの彼はある事情で一度村を出て、都会で生活を続けていましたが、カンプンナガでの暮らしが忘れられず、今では家族でこの村に戻り、一緒に暮らしているということです。
文明化された社会の中で、時間を最大限に利用し、同時に時間に支配される生活と、文明を拒否し、ゆっくりとした時間とともに生きるカンプンナガの生活。とても対照的で貴重な体験ができることでしょう。
このカンプンナガはジャカルタからは移動距離も長いため、1泊2日のご利用がおすすめです。バンドンには温泉宿もあるので、カンプンナガを訪問し、温泉宿に1泊しながら日頃の疲れを癒やしてみてはいかがでしょうか?(ビーウィシュツアー、松田哲也、写真も)
◇ビーウィシュツアー
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