配車タクシーで女性誘拐 西ジャカルタ警察 主犯格射殺、共犯2人逮捕
西ジャカルタ区タンボラ郡で23日、オンライン配車サービスの四輪タクシーを利用した女性(24)が、運転手ら男性3人組に誘拐され、現金や貴金属を奪われて約7時間後に解放された。捜査を進めた西ジャカルタ警察は26日に主犯格の男性(27)を射殺、共犯の2人を逮捕した。地元メディアが報じた。
オンライン配車サービスを悪用した強盗や暴行被害では、3月中旬、中央ジャカルタから四輪タクシーを利用した女性客が、身代金奪取を狙う運転手らに絞殺される事件が起きたばかり。同事件を受け、カルヤ・スマディ運輸相は運営各社に対し、運転手の登録プロセスを厳格化するよう指示していたが、6週間足らずの間に同様の事件が、全国で少なくとも5件再発している。
調べでは、3人組は23日午前6時ごろ、西ジャカルタ区タンボラ郡南ドゥリで、グラブの四輪タクシーで女性乗客を誘拐、現金53万ルピアや貴金属、携帯電話を奪った疑い。身代金奪取や性的暴行も試みたが、抵抗されるなどして失敗し、約7時間後の午後1時ごろ、女性を南ドゥリ周辺の路上に置き去りにして逃走した。
同タクシーは3列シートの7人乗り。主犯格の男性が運転し、最後部の座席に隠れていた共犯の2人が、車内に入ってきた女性の頭部をジャケットで覆って目隠しし、さらにひもで足を縛って拘束した。グラブに登録されていた運転手情報は、主犯男性の継父だったという。
西ジャカルタ警察は被害者証言などを基に捜査を進め、26日午前5時ごろ、西ジャカルタ区クボンジュルックのプシン・コネン通りで、犯行車両を運転する主犯男性を発見。逮捕を試みたが、抵抗されたため、威嚇射撃後に射殺した。共犯の男性2人=ともに23歳=も北ジャカルタ区プンジャリンガン郡で逮捕した。
同警察は、車両や運転手の登録手順などについて、グラブ・インドネシアから事情を聴く方針。(中島昭浩)