共存共栄の新時代へ JJC定時総会 武田理事長が就任
ジャカルタ・ジャパンクラブ(JJC)は19日、中央ジャカルタのマンダリンオリエンタルホテルで2017年度定時会員総会を開き、武田浩文氏(双日インドネシア)が18年度の新理事長に就任した。武田理事長は「インドネシアと共存共栄していく新しい時代の真のパートナー」を目指し、前年度までの取り組みを引き継ぎ、各機関との対話に力を入れていく方針を示した。
武田理事長は所信表明で、活動方針として投資環境改善に向けた政府への提言活動の深化を一つ目に挙げた。日本はインドネシアへの実質的な最大の投資国で、国内総生産(GDP)の約1割を日系企業が創出している状態で、輸出や雇用に関しても貢献度が大きいと捉えており、「日本の位置づけは極めて重要」と話した。
各意見具申活動委員会や商品グループの活動をさらに活発化させ、インドネシア商工会議所(カディン)や経営者協会(アピンド)、各国の商工会議所などと連携。ルフット・パンジャイタン海事調整相など政府高官との対話も進めていく。
19年の大統領選挙を控えた「政治の年」と言われる18年。「国内産業保護に動いて投資が抑制され、法規制の改正も進まない懸念があるが、ことしに入り投資許認可や貿易通関、外国人雇用に関する規制緩和策を矢継ぎ早に打ち出している。今までとは大きく異なる姿勢の変化が見られる」と印象を話した。
法人会員への広報活動を強化すると同時に、日系企業が増加している西ジャワ州ブカシ県やカラワン県でのセミナー開催などサービスも充実させていく。19年4月開校を目指す東部ジャカルタ日本人学校(仮称)設置については「許認可取得や校舎建設などの課題は残っているが、実現に向けてJJCとしても努力していきたい」と話した。
総会では各委員会から17年度の活動が報告された。「移転価格に関係した強引な徴税についての報告が複数あり、外資法人統括税務署に懸念の意を示したところ、対応に変化が見られたなどの一定の効果があった」(課税問題委員会)、「全20カテゴリーの輸入通関検査の撤廃などの手続き簡素化が期待される一方で、関係省庁などとの見解の相違から問題が発生している」(通関・関税問題委員会)などと発表され、今後も取り組みを続けていく方針が示された。
JJCの法人会員数は18年3月29日時点で前年同期比18社増の670社。JJC全体では事業増加や事務所移転に関わる経費の増大などで、流動資産が減少している課題がある。継続的な維持、発展を目的として19年度からの法人部会費の改定も議決された。(平野慧、写真も)