EC離島にチャンス 国産品越境取引に課題 グランジオル・ラザダCEO
ことし進出6周年を迎える電子商取引(EC)国内最大手のラザダ・インドネシア。11日に南ジャカルタで開かれた会見でドゥリ・グランジオル共同最高経営責任者(CEO)に話を聞いた。
――昨年の売り上げは。
グランジオル共同CEO 具体的な数字は言えないが、ラザダの国内での1日当たりの売り上げは前年比7倍に成長した。
販売の大部分を占めるジャワ島だが、ジャワ島外からの注文も増えている。大きい商業施設のない離島での販路拡大のチャンスは大きい。例えばロンボク島。バリ島に行く友人に買い物を頼まなくてもラザダなら最短で3〜4日で商品が届く。認知度が高まれば利用者は増えるだろう。
――現在、倉庫はいくつあるか。
ジャカルタに2、マカッサル、スラバヤ、メダン、バリックパパン各1の計6カ所。具体的計画はないが、宅配時間短縮のためにも新しい倉庫開設は常に考えている。
――ラザダは東南アジア6カ国でECサイトを展開しているが、インドネシアの越境取引件数は。
全体の1%程度。今後、中小企業と協力して、インドネシア製品を中国など各国へ販売していきたい。
――主要な決済方法は。
ほとんどは安全性の高い代金引き換え払い。次に銀行振り込みが多い。電子マネーについては、3月末にアリババグループの電子マネー「ダナ」と提携を発表したばかりだが、今後も提携先を探していく。
――インドネシアのEC市場をどう見るか。
競争はとても激しいが、競合他社と共に市場を開拓しつつ、サービスの質、商品の多様性、宅配の速さを改善しシェアを広げていきたい。また、物流については年々インフラが整ってきているし、政府も力を入れている。人口も多く、教育の質も高いので、期待が持てる市場だと思っている。(坂田優菜、写真も)