二輪配車アプリ認可へ 運賃下限を設定 四輪と共に整備公共交通機関に

 過当競争で低下した運賃の下限設定や法整備を訴えたオンライン配車サービスの二輪タクシー運転手の要求を受け、政府は四輪と同様、二輪タクシーを公共交通機関として認可する方向で調整を始めた。運賃の下限を設けるなど、これまで非公式の職業とされてきた「オジェック(二輪タクシー)」の法整備に着手する。  

 30日付日刊紙コランテンポは、事業者や運転手代表、ブディ・カルヤ・スマディ運輸相、ルディアンタラ通信情報相、ムルドコ大統領首席補佐官が28日協議した結果、公共交通機関への統合に向けて調整する方針が決まったと報じた。同補佐官によれば、両相による決断で、配車アプリ事業を乗客輸送サービス事業に変更する方針という。
 ブディ運輸相は「市場シェアだけを考えるのではなく、運転手の側に立った方策を取るよう事業者に呼びかけていく」と述べ、歯止めがかからない価格競争で生活が困窮している運転手に配慮する姿勢を表明。運賃の下限を設け、現在の走行距離1キロ当たり1600ルピアから2千ルピアへ引き上げるよう事業者に求めた。
 公共交通機関へ統合する流れは、配車タクシー(四輪)とブルーバードなどの既存タクシー間の対立から始まった。
 既存タクシーが2016年、配車タクシーの営業停止を求める大規模デモを実施。これを受け政府は、各配車アプリ事業者をレンタカー事業者組合などと提携させ、アプリ事業者や配車タクシーとしての営業許可取得を義務付け、公共交通機関として認めた。
 しかし、二輪に関しては、現行の道路交通運輸法(09年22号)では二輪車を公共交通機関とする法的根拠がないとの意見も出ている。
 国会第5委員会(運輸・インフラ担当)のシギット・ソシアントモ副委員長は29日、法改正の必要があると指摘。過当競争だけでなく、犯罪事件も多発しており、最低限のサービス基準を法的に定めるべきだとの見方を示した。
 グラブ・インドネシアのリヅキ・クラマディブラタ・マネジングダイレクターは28日の協議後、「運転手の利益は運賃だけでない」と説明。利用者の声や勤務回数によって得られるボーナスなども含め、運賃体系を見直すとした。
 グラブの米ウーバー東南アジア事業買収で、事業競争監視委員会(KPPU)は独自の調査結果を発表。現在の国内ライドシェア市場は、ゴジェックが79.2%で首位。他の2社が統合しても、ゴジェックの1強は変わらないとした。(中島昭浩)

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