農業促進に日本の技術 品質・収穫量が向上 電解水素水で農作物栽培
ジャカルタ・フード・セキュリティー・サミット(JFSS)に出展した整水器製造の日本トリム社と大手財閥シナールマスの合弁会社でミネラルウオーター「プリスティン」を製造・販売しているスーパー・ワハナ・テフノ(SWT)は8日、野菜や果物の栽培時に使用することで品質と収穫量が向上する電解水素水を水道水から作ることができる整水器を紹介した。
電解水素水は、水を電気分解することで作られる、電極のマイナス極に集まった水素を多く含んだアルカリ性の水。日本トリムの整水器は、水道水を電解水素水に変えることができ、これを栽培時に使用する。
植物は普段、主に光合成などで活性酸素を発生させるが、これは植物の成長に悪影響を及ぼし酸化ストレス状態の原因となる。電解水素水を使用すると、水素と活性酸素の酸素が結びつき水になるため、酸化ストレスを緩和でき、収穫量と品質の向上につながるという。
SWTの篠原圭取締役によると、高知大学や同県の南国市農業協同組合(JA)と共同で進めた研究結果では、水道水の使用時と比べて葉が大きく育ったほか、収穫時のメロンは通常の1.5倍の大きさに。糖度も15度から18度に上がるなど、有効性が示された。今後はインドネシアでも、電解水素水を使用した栽培・収穫のデータを集めていく。
シナールマス・グループの小林一則上級顧問は「シナールマスと日本の合弁企業も現在は26社。日本も何か協力できればと考え、今回の出展が実現した。ビジネスや経済協力のモデルに育て上げることができるよう、今後もこつこつと長い目で辛抱強く進めたい」と話した。(毛利春香、写真も)