4人がバティック取材 タムリン・シティー JJS職場体験学習
ジャカルタ日本人学校(JJS)の中学部2年が実施した職場体験学習で、中居正比呂さん、寶川純さん、入江寧琉さん、徳久百合華さんの4人は27、28両日、中央ジャカルタ・タムリン通りのじゃかるた新聞を訪れた。記者の心得や記事の書き方を学び、28日にはショッピングモール「タムリン・シティー」で、バティック(ろうけつ染め)や手工芸品の店を取材した。
■バティック模様の包装紙 入江寧琉記者
バティックなどの服屋が所狭しと並ぶタムリン・シティー1階に、包装用品を扱う「トコ・ナンダ」がある。店先にあったバティック模様の包装紙がすてきな柄で、目に止まった。
従業員のブディ・スディアディさん(25)に尋ねてみると、「1枚3千ルピア(50センチ×60センチ)で販売しているよ」と言った。透明な包装紙の隣にあり、茶色ベースのパラン模様で触ってみるとツルツルしていた。
トコ・ナンダの前には手のひらサイズの小さい紙袋から幅50センチほどの紙袋までずらりと並んでおり、天井からは扇子や袋がつるされていた。また奥の方には不織布でできた袋が積み上げられていた。
ブディさんによると、お店の人気商品は黄色のチェック柄の紙袋とパラン模様の紙袋。この店の商品は、ジョクジャカルタ特別州にある工場で作られているそうだ。
他にも、指輪やネックレスなど宝石を入れる包装箱などが置いてあった。
1日の売り上げは約200万〜300万ルピア。土産用に買っていく人もいるそうだ。週末には多くの客でにぎわうという。
この店の向かい側はバティックの服屋、隣は下着屋とさまざまな店が並んでいる。近くには食事ができる場所もたくさんあり、買い物で疲れたらそこで一休みしてもいいかもしれない。
■バティック柄のバック 寶川純記者
中央ジャカルタのタムリンシティー地下2階ブロックGにあるバティック・手工芸品店「ンダルム」。この店は周りのバティック商品の店と比べて、土産に適した小物が充実している。
2009年のモールオープン当時から店を構えている老舗。オーナーはジョクジャカルタ特別州マリオボロ通り近くの出身。共同経営者のムリヨさん(50)が当店の商品の案内をしてくれた。
話によると、この店の商品は全てオーナーの出身地、ジョクジャカルタ特別州バントゥルで作られていて、その商品のほとんどが電車で直接運ばれてくるという。この店には、インドネシア人だけでなく、マレーシアやタイなどの東南アジアの買い物客、また日本人もよく訪れる。
外国人にも人気のあるおすすめ商品は、バティックデザインがプリントされたかばんとメンドンという木の素材でできた多目的な箱。かばんは全て3万ルピアで、二重の作りになっていてしっかりしている。箱は小さいサイズ(25センチ×10センチ)で3万5千ルピア、大きいサイズ(25センチ×20センチ)で4万ルピア。かばんは買い物などのエコバック、近距離の散歩に、箱は贈り物などに使いやすそうだ。
インドネシアの人々が使っていそうなバティック商品がたくさん並び、普段の生活とは、また違う世界を楽しむことができた。
■かわいいワンピース 徳久百合華記者
中央ジャカルタのタムリンシティー地下1階にあるバティック屋さん「バティック・イダマン」を訪れた。かわいらしいワンピースが目に入ったからだ。店員のシティ・アニサさん(23)に取材をした。
そのワンピースには、バラの花模様がスタンプで、ひし形の伝統菓子ワジックがハンドメードでそれぞれ描かれている。特に若い女性から人気だという。他にもパラン模様やしま模様が描かれており、それぞれの模様には赤や黄、緑、茶など色とりどりの彩色が施されている。前方にはチャックが使われており、珍しいと思った。作られたのは中部ジャワ州ソロ市。
ワンピースはSサイズで縦約90センチ、横約45センチだ。値段は35万ルピア。
同店が販売しているバティックのおよそ7割は中部ジャワ州ソロ市で作られている。また、ジョクジャカルタ特別州や東ジャワ州マドゥラ島、西ジャワ州チルボン、中部ジャワ州プカロンガンなどのバティックも取り扱っている。ハンドメードで作られたものとプリントされたバティックの両方を販売している。
店の一番人気はラワサンという古風なスタイルのバティック。全てハンドメードで作られているものは約200万ルピアだという。店内で一番の高値だ。
前方にチャックが使われているワンピースは珍しいし、今日見たワンピースはローカルな雰囲気が漂うモールだからこそあるものだと感じた。
■バティックで作る扇子 中居正比呂記者
エスカレーターで3階へ登り、右に曲がって少し進んだ所にある土産店。店頭にたてかけられた木彫りの装飾を見て足が止まった。神秘的なものを感じたからだ。
所狭しと並んでいた商品のなかで、真っ先に目に入ったのはバティックで作られた扇子だ。サイズによって値段が違い、小さいサイズで1万ルピア、大きいサイズで2万ルピアだった。日本で生まれた扇子をインドネシアのバティックで彩る。日イの友好が感じられた瞬間だった。
ぐるっとそのお店を1周すると、たくさんのきれいなつぼや、鳥の羽を塗装して作ったネイティブ・アメリカンの装飾品「ドリームキャッチャー」があった。ニワトリの羽を44枚も使ったドリームキャッチャーは、色合いや形など、さまざまなバリエーションがあり、目を引かれた。
店を開いたワニュ・アジさん(22)によれば、商品は主にジョクジャカルタ特別州で生産。開店してことしで4年目になるという。
ワニュ・アジさんは、投げかけた質問に親切に答えてくれた。
今度、また寄る機会があれば、柄の違う扇子を一つずつ買おうかと思う。