国産高級チョコ 日本でPR 原料供給から製品攻勢へ バレンタインデー特別展

 インドネシア製の高級チョコレートが日本で本格デビューする。14日のバレンタインデーを最終日に、3週間にわたり日本の大手百貨店で開かれていたチョコレートの特別展「カカオワールド」に初参加。原料が同国産カカオ豆であることを前面に出した日本製高級チョコレートもすでに発売されており、原料供給国にとどまっていたインドネシアのチョコレート製品攻勢の今後が注目される。 

 今回デビューしたのは「Pipiltin(ピピルティン)」。製品はアチェ産やフローレス産などカカオ豆の産地の特色を生かした板チョコレート8種類。今回のイベントを機会に商品開発した4種類を組み合わせたミニチョコ・アソート(12枚入り1500円)も売り出した。
 輸入販売会社のRubah4(ルバーフォー、本社・東京)が14日のバレンタインデーに合わせた「阪急バレンタインチョコレート博覧会2018(阪急百貨店うめだ本店内)」の特設展「カカオワールド」に初出展した。
 カカオワールドは世界各地のカカオ豆によるチョコレートを一挙に味わえる関西一の企画展で、2013年にスタート。コロンビア、エクアドル、マダガスカル、ベトナムなどからの出展に加え今回インドネシア製が初めて参加した。 
 インドネシア産カカオを原料とした日本国産チョコレートとしては、スラウェシ島のカカオを原料に京都で製造をしている「Dari K(ダリケー)」が14年に博覧会に初参加している。今回、インドネシアがらみの製品は2ブランドと存在感を高めた。
 阪急百貨店広報担当は「世界にはさまざまなカカオがあり、『もっと広がるチョコレートの楽しみ方』を博覧会のテーマにした」とインドネシア・チョコレートを紹介した狙いを説明。「インドネシア製と説明すると驚かれる。南米産に比べて低い知名度を上げるのが今後の課題」としている。
 インドネシアは世界3大カカオ生産国の一つでありながら、市場で付加価値の高いチョコレート製品は皆無だった。ピピルティンはそんな問題意識を持つインドネシア企業家により作り出された「ビーン・トゥー・バー(カカオ豆からチョコレートになるまでの製造工程を一貫して行う製法)」チョコレート。
 ピピルティンは高品質の豆を厳選し、製法もカカオバターを100%使用するなど、品質にこだわっている。こうした高品質インドネシア産チョコレートは同国内で少しずつ増え始めている。同社は日本の一般消費者にも広げようと市場開拓に乗り出した。
 同イベント期間中は、ピピルティンの創業者ティッサ・アウニラさんが来日し、栽培地により味や香りが異なるチョコレートを実感してもらうワークショップを実施、インドネシアのカカオの歴史、農家の現状を紹介するセミナーには200人以上が参加した。(斉藤麻侑子)

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