古都の自然を踏破 世界遺産ウオーク ジョクジャで8000人参加
ジョクジャカルタ世界遺産ウオーク(主催・ジョクジャカルタ・ウオーキング協会、実行委員長・マンクブミ王女)の第9回大会が18、19の両日開かれた。23カ国から延べ8千人がジョクジャの自然を満喫、地元の人たちと触れ合いながら歩いた。
大会は両日とも例年通り5、10、20キロの3コースに分かれ、午前6時ごろから順次スタート。18日はヒンドゥー教の世界遺産プランバナン寺院周辺の遺跡群を、19日はジョクジャのハメンクブウォノ王家の墓地があるイモギリ地区を歩いた。石井正文・駐インドネシア日本大使も参加した。
開会に先駆け、10月に知事に再任したスルタン(王)ハメンクブウォノ10世が訪れ、石井大使からとみや織物(本社・京都市上京区)が製作したバティックの文様を西陣織りの技術で織り込んだタペストリーが手渡された。
18日は晴天でウオーキング日和の中、概ね平坦な道のりを地元の住民の声援を受けながら歩いた。休憩スペースでは大学生を中心としたボランティアからお茶や菓子、果物などが振る舞われ、疲れを癒やす参加者の姿が見られた。
19日は朝から大粒の雨が降り、足下が安定しない中でのスタートとなった。
20キロコースはアップダウンも激しく、肩で息をしながら歩くウオーカーも出た。棚田や畑に囲まれた田園風景や清々しい空気から元気をもらい、それぞれのペースで各チェックポイントを回り、ゴールまでたどり着いた時には盛大に迎えられた。
台湾から参加したリー・ホンシュンさんは「ことしは5日まで東松山市(埼玉県)のウオーク大会にも参加して、旅行した後インドネシアに来た。ジョクジャはのどかな雰囲気、安心感を感じることができる素晴らしい会場だと感じた」と話した。
同大会は2008年の日イ国交樹立50周年を記念して始まった。当初からジャカルタ歩く会が支援し、コース内容などの改善に努めてきた。
国際ウォーキング協会(IML)と国際市民スポーツ連盟(IVV)の2組織に国際大会に認定された第5回大会以降、さまざまな国から参加者が駆け付けるようになった。
大会を支援する団体の一つであるロイヤル・シルク財団の黒田正人さんは「ことしも多くの人が参加してくれた。日イ国交樹立60周年となる来年の第10回大会は盛大に行いつつ、開催地をジョクジャ以外にも広げるなど、さらに充実させていきたい」と話した。(平野慧)