アチェで津波避難訓練 災害時の被害最小限に UNDP 

 国連開発計画(UNDP)、在メダン日本総領事館などは5日、アチェ州バンダアチェ第6高校で津波避難訓練を実施、生徒や教員約400人が参加した。     
 訓練の1カ月以上前から避難場所や経路の確認、地図や災害時のガイドラインの作成などを準備し、津波到着予測時間より早く、約30分で同校から1キロ離れたイスカンダル・ムダ大学まで避難した。 
 けが人の保護から避難完了後の点呼まで行った生徒たちは「災害時にどのように動けば良いのか具体的にイメージすることができた。家族にも伝えたい」と話した。学校側はガイドラインを基に、今後定期的に避難訓練を行っていく。訓練後、UNDPから「家族と事前に災害時の集合場所や互いのことは気にせず、とにかく逃げるなどルールを決めておき、それを徹底する必要がある」などのアドバイスがあった。
 同校は2004年12月に起きたスマトラ島沖地震・津波で大きな被害を受けた学校の一つ。同校の生徒6人は17年11月7、8両日、沖縄県宜野湾市で開かれる「『世界津波の日』高校生サミット」に参加する予定。うち1人は津波で母親を亡くしており、津波の体験談や避難訓練の経験などを伝え、世界中の高校生と共有する。
 同避難訓練事業は、津波の被害を受けやすいアジア太平洋諸国での災害時の対策強化、津波への啓発を目的に、日本政府が日・UNDPパートナーシップ基金を通じてUNDPに資金提供している。実施期間は17年6月〜18年5月。 対象国はインドネシア、カンボジア、マレーシア、ミャンマー、タイ、スリランカ、トンガ、バヌアツなど18カ国。各国ごとに津波の被害が予想される5校ほどで実施。インドネシアではこれまで、バリ州でタンジュンブノア第2小学校などの3校、アチェ州でアチェブサール県プカンバダ第1中学校、高校の2校、今回を含め計6校で避難訓練が実施された。
 避難訓練はインドネシアを含め6カ国で実施され、今後12カ国で行う。事前に避難場所や経路の地図を作成するなど、訓練を通して災害時の被害を最小限にすることを目指す。(上村夏美)

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