日イ相互理解の深化を 教師、若者30人が日本へ 招へい・交流事業で
日本政府の進めるイスラム寄宿学校(プサントレン)教師招へい事業に参加する10人と、対日理解促進交流プログラム「JENESYS」に参加する若者ら20人が2日夜、スカルノハッタ空港(バンテン州タンゲラン市)から日本へ向かった。教師らは12日まで、若者たちは10日まで滞日し、行政や産業、宗教、教育などに関連した場所を視察する。
訪日目的は、日本、そしてインドネシアのイスラム社会に対する相互理解の深化。
プサントレンの教師10人は校長が大半で、西ヌサトゥンガラ、南スマトラ、バンテン各州などから集まった。日本では、外務省を表敬訪問後、京都府や奈良、広島両県などを訪れる。奈良の東大寺ではイスラム学者としても知られる同寺長老の森本公誠さんの話を聞く。広島県ではホームステイを体験する予定。
JENESYSに参加する若者たち20人は10代の高校生が中心。国内最大のイスラム団体ナフダトゥール・ウラマ(NU)とムハマディヤから10人ずつが参加した。訪日中は、早稲田大でのイスラム研究の講義受講、長野県立白馬高校の生徒らとの交流、2泊3日のホームステイなどが予定されている。
ホームステイでは、社会や生活、文化に直接触れることによって日本理解を深めてもらう一方で、日本側のインドネシア、イスラムの風習、考え方の理解も促す。
2日午後には中央ジャカルタの在インドネシア日本大使館で、30人の壮行会が行われ、西ジャワ州タシックマラヤ県のプサントレンで13年間教師をしているイクバル・ムストパさん(41)は「私を含め教師10人は全員が初訪日になる。互いの文化や宗教などについてディスカッションをする時間もあり、視野を広げられれば」と話した。
一方、同大使館の本清耕造次席公使は「来年、日本とインドネシアは国交樹立60周年を迎える。帰国後は日本での経験を多くの人に広めてもらいたい。両国関係の深化に貢献していただければ」とあいさつした。
プサントレン教師招へい事業は2004年から実施しており、訪日した教師総数は今回を含めて158人。NUとムハマディヤの若者招へいはことし1月に初めて実施され今回が2回目となる。(上村夏美)