ハラルめんたいこ発売 兼松とやまや 国内初の認証
総合商社の兼松と辛子めんたいこ製造のやまやコミュニケーションズは30日、国内初のハラル認証を受けためんたいこを発売する。日系の量販店で供給を始め、裾野拡大を目指す。
辛子めんたいこは兼松の現地法人兼松トレーディングインドネシア(KTI)と食品製造チモリーグループが2012年に立ち上げた、集中調理施設(セントラルキッチン)を運営する合弁会社カネモリー・フードサービスで加工する。
原料のスケトウダラの卵はロシア、米国産を輸入、初回分としてすでに3.5トン分輸入している。30日から日系の量販店で販売を開始する。1年間の目標販売量は10トン。
卵巣の形を保った状態の真子(まこ)と、近日中に製造を開始するペースト状の「明太子スプレッド」を市場に投入する。
カネモリー・フードサービスの小林英樹社長は「最初の段階で大きく伸びるのは明太子スプレッドだと思う」と話す。「すしなどの日本食に限らず、パスタやピザにも使え、インドネシア人が親しみやすい。アレンジ次第で使い方の可能性は広がる。そこから真子に興味を持ってほしい」と説明する。
明太子スプレッドは量販店や料理店向けのみでなく、ファストフードチェーンやベーカリーショップまで幅広く提案して販路拡大を進める。
めんたいこ事業の構想は2年前から始まった。やまやの技術指導の下で試作を繰り返し、レシピや製造工程を組み立てて、イスラム学者会議(MUI)のハラル認証取得に至った。めんたいこ味の惣菜をカネモリーで開発・提案していく。
今後、日本国内のハラル市場活発化を踏まえて出荷を見据えるほか、マレーシアや中東などへの輸出も目指す。やまやの橋本武文執行役員は「自信を持って作っためんたいこを、インドネシアから世界に送っていきたい」と話した。
カネモリーでは小ロット多品種生産で約200品目を製造して、コンビニや量販店、外食産業などに向けて出荷している。
工場では製造スペースを拡張する工事が進んでおり、11〜12月ごろに完了する予定。冷凍保管体制も強化している。(平野慧、写真も)