「地方での販売を強化」 タブレット型端末発表 ソニー・インドネシア
ソニー・インドネシアは二十三日、南ジャカルタのシティ・プラザで記者会見を行い、同社のタブレット型端末「ソニー・タブレットS」をインドネシアで販売すると発表した。今月二十九日に中央ジャカルタのジャカルタ・コンベンションセンター(JCC)で開催される国内最大規模のコンピューター展「メガ・バザール・コンピューター(MBC)2012」を皮切りに全国の量販店などで発売を開始する。
昨年九月に日本や欧米で発表しており、日本では米 グーグル社が開発したアンドロイドを基本ソフト(OS)とする機種の中ではトップシェアを誇っている。
ソニー・タブレットSの液晶の大きさは九・四インチでOSはアンドロイド3・2を採用。記憶容量が十六ギガバイト(GB)と三十二GBの二種類。価格はそれぞれ、四百九十九万ルピア、五百五十九万九千ルピア。無線LAN(Wi―Fi)対応機種のみの販売だが、当面の間、購入者には3Gルータを無料で配布する。
また、二十七日と二十八日には南ジャカルタのプラザ・バピンドでマンディリ銀行と提携し、十六ギガのモデルのみ同銀行のカードを利用することで、五十万ルピア割引で販売する。
ソニー・インドネシアの荒井聡社長は「世界的に経済が落ち込む中、堅調な経済成長を続けており、タブレット市場も年率五〇%の伸びを示しているため需要が見込める」とタブレット投入の理由を語る。またソニーのテレビやホームシアターといったAV機器など電化製品がすでに広く普及していることから、ソニー・タブレットSの強みについて「リモートコントロールや、テレビとの画像データの行き来など、他機能との連携を重視していることだ」と語った。
重さは五百九十八グラムと他社のタブレット型端末と変わらないが、裏側に傾斜を付け、厚みを均一でない形状とすることで重心をずらし、片手で持っても重さを感じにくい作りになっている。
またもうひとつの特徴がソニーが「サクサク・エクスペリエンス」と呼ぶ操作性。データすべてをダウンロードして表示していくのではなく、画像データを先にダウンロードすることで、ストレスなくウェブブラウザを表示することが可能になっているほか、ソニー独自の技術によりタッチ操作をスムーズに行うことができる。
二〇一二年の販売戦略として荒井社長は「地方での販売を強化する」と表明。地方での売上を全体の三〇%まで引き上げるのが目標という。昨年までにジョクジャカルタやスラバヤ、マカッサル、メダン、バリクパパンで支店を開設しており、現在新たに二カ所を選定し、準備を進めている。(高橋佳久、写真も)