環境対策 準備が必要 ガイキンド・ヨハネス会長 燃料供給、販売網を確保

 10日、バンテン州南タンゲランの国際展示場インドネシア・コンベンション・エキシビション(ICE)で開幕したインドネシア国際オートショー(GIIAS)を主催するインドネシア自動車工業会(ガイキンド)のヨハネス・ナンゴイ会長に、インドネシア自動車業界の環境対策への課題を聞いた。

 ――排出ガス規制ユーロ4の導入について。
 ヨハネス会長 ユーロ4の導入は、あちらこちらでいろいろなことが言われている。東南アジア諸国連合(ASEAN)の中でも、未導入はインドネシアを含め3カ国だけ。大気汚染がひどく、健康に影響が出ないとも言えない状況に悪化しており、やっと動き始めた。現状は、政府は導入に前のめりの立場で動いており、ことし3月から数えて18カ月後、来年8月、アジア大会での導入を一つのターゲットとしている。
 ガイキンドは、2015年のGIIAS開幕から、環境に配慮したグリーン・テクノロジーの重要性を訴えてきた。会員である自動車メーカー各社も導入に従う。しかし、その進め方が重要だ。投資などもあり準備には、新規生産品は24カ月、既生産品は48カ月必要と政府に伝えていた。
 政府からの返答は、ディーゼル燃料車については48カ月として問題はない。しかし、ガソリン車についての要求は新生産、既生産品とも18カ月だった。我々は現在生産しているものについて、いくつかは対応できないとして議論を重ねた。そして議論の末、現在生産しているもので、対応に間に合わないものは24カ月に延長することで合意に達することができた。
 しかし、それを導入するには前提がある。まず、ユーロ4対応燃料の安定供給を担保すること▽全国へのディストリビューションを確保すること▽年間100以上の新モデルが生産され、400以上のモデルが走る中で、充分な検査や試験の装備や体制が整えられること――だ。
 一方、ユーロ4の導入により、各工場は、国内向けと輸出用の生産ラインを分ける必要がなくなるので、より輸出に積極的に取り組めるかもしれない。インドネシアが将来的に生産・輸出拠点になることを推進するとも考えられる。
 ――低炭素排出車(LCEV)の展開について。
 最近、このトピックも、よく話題に上がるが、ユーロ4の次の新しいステージで、ハイブリッド車や電気自動車が挙げられる。しかし、今のインドネシアの自動車関連規定では、それらは想定に入っておらず、排気量で区分される車の輸入について、電気自動車など実情にあっていないものもある。
 現在、ハイブリッドなどは高い税金を払って輸入されている。一方で、排出ガス抑制の厳しくない車が安く販売されており、環境にいい車を優遇する規制を作るなど、その不平等を取り払わなければならない。現在、独立した学術機関なども交えて、政府、ガイキンドで、新たな自動車という枠組みに関わる規定について考えようと話し合いを始めたところで、まだ詳細は詰まっていない。(太田勉、写真も)

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