高い伸び率、成長期待 日本旅行の堀坂明弘社長

 日本旅行(本社・東京都中央区)の堀坂明弘社長がインドネシアを訪問した。昨年6月の社長就任から1年、新・中期計画の策定から一段落したところで、海外の拠点を回り、自分の目で直接マーケットを見るのが目的という。インドネシアは東南アジア主要国で最初の訪問国。インドネシア展開の今後について聞いた。

 ――インドネシアの印象は?
 堀坂 インドネシア訪問は2度目。2015年に二階俊博・日本インドネシア国会議員連盟会長が率いる「日インドネシア文化経済観光交流団」として来て以来。今回もそうだが、空港から移動する中で、渋滞も含めエネルギッシュで勢いのある町の空気を感じた。(JR西日本で)鉄道の商売をやってきたものとしては、鉄軌道を含む公共交通の整備は喫緊の課題と考えるが、渋滞の激化は成長の早さに公共整備が追いついていないということ。人口は日本の約2倍で若い世代の比率が高い。まだまだ成長過程で伸びしろのある国、訪日旅行の伸び率の高さなど、今後成長が期待できるマーケットだと感じている。
 ――訪日旅行はどう攻める?
 当社はインドネシアで訪日旅行を扱う多くの地場系旅行社と提携しており、子会社のジャバト・インターナショナル経由で、当社ブランド「赤い風船」(海外名「レッドバルーン」)の旅行商品を卸すビーツービーに注力している。この国にはこの国なりのニーズがあり、顧客への売り方がある。今後、現地の会社との連携を強め、ニーズを汲み取り、商品を作り込んで行きたい。
 特に、我々は国内の旅行で大きなシェアを持つ。インドネシアでも人気のJRパスなどの鉄道利用と地域、地方都市との連携に強みがある。国内旅行の商品力を訪日旅行に生かし、普通では味わえない日本の良さ、日本の地方都市の魅力などを紹介していきたい。
 ――今後の対イ戦略は?
 16年に子会社化したジャバトは1979年設立で歴史も長く、今まで積み上げてきたインドネシアの日系社会でのネットワークがある。来年は日本とインドネシアの国交樹立60周年で、これまで以上に、政治、経済、文化を含めたいろいろな交流が活発になっていく。大使館や日本政府観光局(JNTO)、地元旅行社や各企業などとも情報交換、連携を強めながら、我々の協力できる分野、ノウハウの提供できる分野で貢献をしていきたい。60周年をきっかけにして、日系企業との関係交流を強化し、我々の立場からも交流を推進するようなきっかけをつくって提案するなど、インドネシアで展開する総合旅行社として力をつけていきたい。今後、両国間の文化交流、会議やセミナーなどにも、積極的に関わっていけるようになりたい。(太田勉、写真も)

◇ ほりさか・あきひろ 79年慶応義塾大学経済学部卒、国鉄入社。87年西日本旅客鉄道入社、08年6月執行役員総務部長、12年6月取締役兼常務執行役員総務部長、13年6月日本旅行取締役。14年6月西日本旅客鉄道取締役兼常務執行役員鉄道本部副本部長、営業本部長などを経て、16年6月から現職。61歳、熊本市出身。

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