思いを日本語で 第46回弁論大会 アルベルトさんが優勝
第46回日本語弁論大会大学・一般の部全国大会が22日、中央ジャカルタの研究技術・高等教育省ホールで開かれた。全国9地区の予選を勝ち抜いた14人が参加、それぞれの思いを努力して習得した日本語で表現し、競い合った。
優勝は東ジャワ州大会を勝ち抜いて参加した、ヒサミツ・ファルマ・インドネシア勤務のアルベルトさん(32)。「地上の最強の力」と題し、強弱をつけた話し方でスピーチを行った。
アルベルトさんは子どものころ、ゲームなどをきっかけに日本語に興味を持ち、大学入学後、日本語の勉強を本格的に始めた。就職がうまくいかなくてアルバイトを続けるようになっても、日本語の勉強だけは毎日続けたという。
努力が実り、日系企業に就職。「とてもうれしかった」と振り返る。通訳などを担当し、社内で毎週1回ボランティアで日本語を教えているという。
「日本語は私にとって『地上最強の力』になった。仲間の皆に教えてあげたい」と話す。「日本の本社で働き、進んだ5S(整理、整頓、清掃、清潔、しつけ)の活動を学びたい」と今後の抱負を話した。
準優勝は「家族の時間『人生は変われる』」をテーマに話した、スラバヤ17・アグストゥス1945大学のアンドレアス・クリスティビアン・ダニさん(19)。幼い時、父親と母親が不仲で家族がバラバラになりそうだった時、ポジティブシンキングを心がけ、穏やかに家族に接しようと努めた。その結果、笑顔があふれるかけがえのない家族に戻ることができた経験を話した。
3位には「厳しさは愛情の裏返し」でバリ大会で優勝した、サラスワティ外国語大学のニ・ニョマン・トゥリ・レスタリさん(22)。4位には「ソーシャルネットワーク」のテーマでスピーチした、ジャボデタベック(首都圏)代表のビナ・ヌサンタラ大学のサンディ・サプトラさん(20)が選ばれた。
審査員長を務めた在インドネシア日本大使館の中村亮公使は「昨年以上にレベルが上がっている。これからも日本語の勉強を続け、日本と親しい関係を築いてほしい」と話した。
大会は国際交流基金と元日本留学生協会(プルサダ)、研究技術・高等教育省の共催。優勝したアルベルトさんと準優勝のアンドレアスさんは、今後東京で開催される予定の東南アジア諸国連合(ASEAN)日本語スピーチコンテストに参加する。(平野慧、写真も)