LRT利用者50万人へ 移動閉塞システム採用 運輸省想定引き上げ

 運輸省は13日、バンテン州を除く首都圏(ジャボデベック)で建設が進む次世代型交通システム(LRT)で、より効率的に列車間の安全距離を取り、運転間隔を短縮させる「移動閉塞方式」を導入すると明らかにした。運行できる本数が増えるため、1日約27万人としていた利用客数の目標を同50万人に引き上げた。

 鉄道では従来、列車同士の衝突を防止するため、路線を一定の区間に区切り、一つの区間に同時に二つ以上の列車が入らないようにする「閉塞区間」を定め、信号機を置いて列車の進行を制御する「固定閉塞方式」が取られてきた。
 一方、近年日本などでも導入が進む移動閉塞方式は、安全走行に必要な最低限の間隔を列車同士の距離や速度などに基づいて制御し、保つことができる。固定閉塞と異なり、可能な限り電車を接近させることができるため、同じ路線区間でより多くの列車を走行させることができる。
 ブディ・カルヤ・スマディ運輸相によると、当初は固定閉塞方式を採用し1日の利用者数は27万人としていたが、移動閉塞方式を採用することで約50万を目指す。時間に正確な運行も可能になるという。ジャボデベック地域にまたがって伸びるLRTに同方式を取り入れるにあたり、建設費は21兆7千億万ルピアに2千〜3千億ルピア上乗せされる見込みで、最大22兆ルピアとなる。
 同地域では現在、東ジャカルタ区チャワン〜西ジャワ州チブブル間(14.5キロ)、チャワン〜西ジャワ州東ブカシ間(17.1キロ)、チャワン〜中央ジャカルタ区ドゥクアタス間(10.5キロ)の3区間で建設が進む。同3区間全体の進捗状況は約17%で、2019年の開通を予定している。
 さらに、北ジャカルタ区クラパガディン〜南ジャカルタ区クバヨラン・ラマ間(21.6キロ)の第1工期である、北ジャカルタ区クラパガディン〜スポーツ施設フェロドロームがある東ジャカルタ区ラワマングン間(5.8キロ)でもLRTの工事が進められている。進捗状況は27%で、2018年8月に開かれるアジア大会に合わせた開通を目指す。(毛利春香)

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