「多文化が魅力」 イ人留学生呼び込む 上智大・アンジェラ副学長
「多数派がムスリムというのは気にしていない。多文化、多宗教が背景にあるインドネシアからの学生は魅力的。もっと呼び込みたい」
上智大学のユー・アンジェラ学術交流担当副学長が、同大への留学生誘致のため、十七日までの日程でジャカルタを訪問している。訪問先は教育文化省、国家開発計画庁(バペナス)のほか、プリタ・ハラパン大学(UPH)、四カ所の高校など。
英語教育を進めてきた香港、シンガポールに次いで、「十年後にはインドネシアが重要な国になる。オセアニアと北アジアの中間に位置する立地も良い」と指摘する。アンジェラ副学長は「いままでは、国際化イコール欧米化だった。二十一世紀は、マニュアルのないアジアとの付き合いが大事になっていく」と話す。
上智大学での現在のインドネシア人学生数は学部生が三人、大学院生が二人でうち一人が国費留学生となっている。
昨年五月に行なわれた「国際化拠点整備事業(G30)」の日本留学説明会の際に訪れ、今回が二回目の来イ。中島敦のインドネシア関連の本をイェール大学大学院時代に初めて読んだと言い、「空気、緑、におい、人、みんな覚えている。昨年インドネシアに来た時は、初めて来た気がしなかった」と振り返る。「大らかな国民性で、外国人を受け入れる器の大きさを感じる」と評価した。
「学者として、文学や歴史に関することは原動力になる」と話し、「長い歴史の流れの中で、インドネシア、日本に関わり、一個人として、両国が助け合う懸け橋として努力したい。自分の使命だとも感じている」と意気込んだ。
■ユー・アンジェラ氏
1962年に香港で生まれる。香港大学、コーネル大学などを経て、米国イェ―ル大学で東アジア研究修士、東アジア言語文学博士を取得。専門は日本文学。中国語、英語、日本語を話す