芸術大の学生とコラボ 振付家の矢内原さんら 30日にダンス公演
日本のコンテンポラリー・ダンスグループ「ニブロール」と中央ジャカルタのジャカルタ芸術大学(IKJ)の学生がコラボレーションしたダンス公演が30日、IKJで行われる。
公演は国際交流基金アジアセンターとアーツカウンシル東京(公益財団法人・東京都歴史文化財団)の助成事業。IKJキャンパス内のシアター・ルウェスで、同日午後7時半開演。一般客も無料で観覧できる。
ニブロールは振付家の矢内原美邦さん(46)らによるグループで、ダンスや映像、音楽を融合した舞台作品を国内外で発表している。演劇の作・演出も手掛ける矢内原さんは2012年、「前向き!タイモン」で岸田國士戯曲賞を受賞した。
今回の公演では、ニブロールの作品「リアルリアリティ」をIKJの舞踊学科の学生9人が演じる。学生が創作したダンスも取り入れるほか、映画テレビ学部の学生たちも映像や音楽で協力する。ニブロールはダンス指導や映像制作などのサポート役を務める。
23、24両日には、来イしたニブロールのメンバーが、ダンス、映像、音楽のワークショップを実施。矢内原さんは出演する学生9人を指導した。
9人はいずれも振付専攻で、将来は振付師として海外でも活躍したいと夢見る。イルファン・スティアワンさん(21)は「海外からやってきた先生に踊りを見せるようなことはあっても、一緒に作品をつくる機会はめったにない。出演者として任せられて光栄です」と意気込む。
コラボのきっかけは、ニブロールが昨年1月に中部ジャワ州ソロ市で「リアルリアリティ」を上演したこと。公演を見たIKJの教員から声が掛かり、実現した。
文化庁の文化交流使として東南アジア7カ国のダンスや演劇を見て回った経験を持つ矢内原さんは、インドネシアのコンテンポラリー・ダンスの印象について、「インドネシアの人たちが持っている身体とリズム感、文化がダンスの中に取り入れられていて、とても面白い。ヨーロッパの人たちを追いかけているだけのダンスじゃないと感じた」と話す。
近畿大学芸術学科で准教授も務める矢内原さんは、今回の公演をきっかけに「(日本人学生と)インドネシアの学生との交流機会を増やしたい」と考えている。「伝統舞踊と違い、インドネシアの人たちがつくった現代ダンスを日本人が見られるチャンスが全くない。お互い(の作品)を見られれば、刺激になると思う」と話した。(木村綾、写真も)