柔道指導者使節団来イ 姉妹都市の東京 ジャカルタで魅力伝える
東京都柔道連盟や都などが主催する柔道指導者派遣事業の使節団が17〜18日、ジャカルタ特別州で、インドネシアの選手指導や、形の演武を通じて柔道の魅力を伝える活動を行った。選手のスキルアップ、交流を図り、スポーツを通して姉妹都市である東京とジャカルタの友好を深めるのが狙い。
18日の演武は州庁舎のホールで、子どもたちなどを広く招待し開催された。
使節団メンバーの小橋秀規さんが柔道の歴史を説明。講道館柔道の創始者で、明治から昭和にかけて柔道の発展に尽力した嘉納治五郎氏の生い立ちや、嘉納氏が社会や他人に相対する上での心構えを説いた「精力善用」「自他共栄」など、遺訓の意味を解説した。
その後、足払いや背負い投げなどを互いに組み合って実践的に指導した。無駄のない動きで、相手を投げドスンという音が響くと、見学者は夢中になって歓声を上げたり、写真を撮ったりした。
ミュンヘン五輪(1972年)の80キロ級で金メダルを獲得した、東京都柔道連盟の関根忍会長は「インドネシアでも柔道は盛んになってきている。今回も若い人たちを中心に盛り上がり、熱気を感じられた」と手応えを話し、「ジャカルタ・ジャパンクラブ(JJC)柔道部など民間の活動により、20年前と比較してレベルがかなり向上している。指導者もどんどん育っていってほしい」と期待を語った。
児童たちと見学した小学校教諭のメリッサさん(28)は「迫力があって心身に良い運動だと思った。(できれば)カリキュラムに取り入れたい」と感想を話した。
柔道指導者派遣事業では、アジア諸国やロシア、ブラジルなど世界各国を訪問して、柔道の裾野を広げる活動を展開している。(平野慧、写真も)