「ハラル飛騨牛」 岐阜県 試食会で市場調査
岐阜県は7日、中央ジャカルタのシャングリラ・ホテルで、神戸牛などと並ぶ日本を代表する和牛ブランド「飛騨牛」の試食会を開催した。
飛騨牛は、肉質がきめ細かく柔らかで、網目のような霜降りと豊潤な味わいが特長。2008年に初めて香港に輸出、現在11カ国に輸出している。15年度の輸出実績は23トン。
今回の試食会のため、岐阜県では、飛騨牛を生きたままトラックに載せ熊本県に輸送。インドネシアの輸入規制に従い、インドネシアの認証機関イスラム学者会議(MUI)からイスラムの戒律に則って牛肉を処理したことを証明する「ハラル認証」を取得したゼンカイミートで処理し、航空便で輸送した。
試食会では、すし、しゃぶしゃぶ、すき焼き、ステーキの各調理法で料理された飛騨牛が参加者に出された。南ジャカルタのJW・マリオットホテルにある日本料理店「明日香」の西浦修料理長は、「ブランドとしても十分知られているが、いろいろな規制や手続きもあり、どのくらいの値段になるのか気になる」と語った。
岐阜県農政部農産物流通課の早野寛仁・輸出戦略・流通企画係長は、「世界第4位の人口を持つ市場のポテンシャルと日本に近いということで、初めてのイスラムの国への輸出先にインドネシアを選んだ。今回の試食のフィードバックを検討しながら、まずはこの国で『飛騨牛ブランド』の知名度を上げる努力をしていきたい」と語った。
会場には、ジェトロ・ジャカルタ事務所の亀田周シニア・ダイレクターや日本でMUIの相互認証を行うムスリム・プロフェッショナル・ジャパン(MPJA)のアクマル・アブ・ハッサン代表理事、牛肉の輸入業者、レストランのシェフなど関係者33人が集まった。(太田勉、写真も)