進出戦略の情報共有 JRO 外食産業シンポ開く
日本食レストラン海外普及推進機構(JRO)は27日、中央ジャカルタのインドフードタワーで「国際シンポジウム・メニュー提案商談会」を開いた。インドネシアにおける日本食、食材産業の成長戦略について意見交換し、現場で得られた情報などを共有した。
日イ両国の外食、食品産業関係者がパネリストになったシンポジウムでは、人材育成やハラル対応などが議題に上がった。地場企業でシェフなどを務めるラギル・イマム・ウィボウォさんは、離職率を抑えるために、10年程度勤務した従業員にメッカへの小巡礼などを贈る取り組みを紹介した。
インドネシア国内で讃岐うどん専門店「丸亀製麺」を展開するトリドールホールディングス(本社・神戸市)の粟田貴也社長は、成功要因として合弁先のスリボガグループが人材育成に力を入れ、社員を大切にする風土が整っていたことを挙げた。ハラル対応については「認証を受けるのに2年半かかり、(日本国内に近い)味の再現も難しかった」と苦労を披露した。
味の素インドネシアの神谷歩社長は、ハラル対応では人材教育が大事だと指摘。「製品ごとの認証期限は2年。更新できるようにチェックを繰り返す体制が必要」と話した。
シンポジウム終了後は来イした飲食・食品開発企業幹部や国内企業関係者との間で日本産食材・食品などを使用したメニュー提案商談会が開かれ、試食を楽しみながら情報交換が行われた。西ジャワ州ボゴールにあるボゴール農科大学(IPB)3年のリズニ・バリさん(21)は進路選択の参考として来場。「日本食を広めようという熱意を感じた」と話した。
JROは日本食市場拡大などを目的に、海外24の都市・地域で日本食ビジネス関係者のネットワークを構築。東南アジア諸国連合(ASEAN)各国でシンポジウムを開いている。インドネシアでの開催は4年ぶり2回目。(平野慧、写真も)