ガス火力発電所に参画 西ジャワ州チラマヤ 国内で最大規模 丸紅、双日、プルタミナの企業連合
丸紅と双日、国営石油ガス・プルタミナの企業連合は31日、西ジャワ州チラマヤに建設するガス火力発電所の売電契約を、国営電力PLNと締結したと発表した。民間主体のIPP(独立系発電事業者)によるガス火力発電所としては国内最大規模。
昨年10月に丸紅らの企業連合がPLNから優先交渉権を獲得し、売電契約の交渉を続けていた。発電容量880メガワット(MW)の発電所を2基建設し合計1760MWに達する計画。総事業費は約18億ドルで、今後融資契約を締結する。
丸紅は発電所の完工予定を2021年に設定し、その後25年間PLNに売電する契約。ジャワ島やバリ島に電気を供給する。
3社の出資比率は丸紅が4割、プルタミナが4割、双日が2割。資本金は非公表。
チラマヤの沖合で液化天然ガス(LNG)を受け入れるFSRU(浮体式LNG貯蔵再ガス化設備)を建設し、発電設備につなげる。プルタミナ関係者はこの仕組みがアジア初と強調する。生産地からパイプラインを引くよりも沖合に施設を建設することで効率的な発電につなげられるという。
プルタミナのドウィ・スチプト社長は売電契約を結んだ国営電力PLNとの連携について「これまで(プルタミナとPLNの)国営2社の連携は難しかったが、今回の連携で相乗効果が生まれる」と説明。地元メディアによると売電価格をめぐり、プルタミナとPLN間で交渉が長引き、本来定められていた契約の締結期限を過ぎていた。
政府は19年までに3万5千MWの電源開発を計画している。今回の事業に国営企業のプルタミナが参入。大規模なIPP事業にプルタミナが参入するのはまれで、国営企業が民間主導のIPP事業に関与することで電力開発を加速させたい考え。
一方、政府の財政難で民間企業に委託する案件は多い。日系企業の参画するケースも増えており、プライスウォーターハウスクーパース(PwC)調べによると、日系企業が参画する進行中の発電所案件は8千MWを超える。(リンダ・シラエン、佐藤拓也)