日本留学フェアに670人 出展のアークアカデミー 佐藤取締役に聞く
インドネシア人学生の日本留学を促進する「YSJ日本留学フェア」がインドネシアの2都市で開催された。出展したアークアカデミー日本語学校(本社・東京都新宿区)の佐藤和俊取締役にインドネシア人学生の日本国内での日本語教育の現状や、進路選択での課題などを聞いた。
フェアは広告代理店、廣告社(東京都千代田区)が主催し、21日に南ジャカルタのアル・アズハル大学で、22日に北スマトラ州メダンの北スマトラ大学でそれぞれ開かれ、日本から計7校の大学、専門学校、日本語学校がブースを出展、2日間で670人が参加した。佐藤取締役は留学フェアを振り返り「多くの学生が説明に熱心に耳を傾けてくれた」と手応えを話す。
東京や大阪の同社各校に通うインドネシア人学生は現在28人。中国やベトナムと比較すると人数では開きがある。原因として「将来に対して大金を投資するベトナムと比べて、私費留学する文化がまだ根付いていない」ことと、「英語圏への留学を志向する学生が多い」ことを挙げる。
また、大学卒業後の進路先として、収入などの観点から欧米や中国などの企業への就職を志向する学生も多いという。
「学生には当社が長年蓄積した就職情報を提供しながら、研修制度が充実しているなど日本企業の良さを伝えていきたい」と語る。日系企業の採用動向については「技術力がある学生を重視する傾向がある。日本の言語や文化を理解した人材を、より積極的にマネジメント層に登用すると、相互の従業員の理解も深まるのでは」と話す。
「留学して日本語、文化を習得し、日本とのビジネスができる人材、日本の本社で働ける人材は必要性が増す。留学フェアへの参加は未来への種まきです」と今後の希望を語った。(平野慧)