「40曲歌いたい」 ラグラグ会 来年発足40周年

 インドネシアの歌を歌い、交流を深めるラグラグ会は3日、南ジャカルタ・スマンギのスディルマン・セントラル・ビジネス地区(SCBD)にあるレストラン「バティック・クリン」で年末恒例の「第46回ラグラグパーティー」を開いた。ジャカルタやマカッサル、日本の支部から48人が参加。発足40年目を迎える2017年は「40曲を練習し歌いたい」と目標を掲げた。

 マルク地方の「ナイック・ナイック・ク・プンチャック・グヌン」と「オー・ウラテ」を皮切りに、会がスタート。歌の意味を理解しやすいように、今回からパンフレットに歌詞の対訳をつけた。
 合唱では、ブタウィ民謡「キチル・キチル」やインドネシアを代表する作曲家イスマイル・マルズキの「スタンカイ・ブンガ・マワル」など全国各地の歌を取り入れた。
 ソロでは10人が発表した。佐久間武美さんはソロで「コタ・アンボン」をしっとりと歌い上げ、愛する人と見たアンボンの情景を表現。2月のニッポンデー出演以来、日本関連イベントからの依頼が増えてきたというマカッサル支部代表の竹内ロビー清さんは、夫人と息の合った歌声を響かせた。
 日本の支部や若い世代の参加者も訪れた。大阪支部の下出澄夫さんとジャカルタの会に初参加の井上久夫さん、青森・弘前から和氣太司さんが出席。7年連続参加の下出さんは「また来年も来たい」。機械メーカー勤務の志知龍之介さん(25)は日本でラグラグ会の情報を調べ、10月の来イ後すぐに入会。「インドネシア語を学ぶなかで、歌なら覚えやすいと思った。帰国後も続けたい」と話した。
 指揮を務める中村征夫さんは、歌を教える先生。パーティー中も歌が終わると「どこの発音を間違えたか分かります?」と参加者に質問しては、発音一つで意味が大きく違ってしまうことをおもしろおかしく説明する。自ら口が悪いと話す中村さんは「今のラグラグ会は昔と違って発音が良くなったので、今度は歌を直さなければならなくなった。1曲歌うのに1年や2年かかってしまう。歌う人の志を大事にしているので、今でもお手伝いしている」と冗談を交えて会員を褒めた。
 ラグラグ会は1974年1月15日の反日暴動「マラリ事件」を機に、1人の日本人学校教諭と駐在員3人がインドネシアの歌を通してインドネシア文化を学ぼうと77年に発足。会員数は843人まで増えた。小川和美さんはあいさつで「中村先生の指導で、発音だけは自信があります。文化と発音を学びながら楽しんでいる。来年は40周年を迎えるので、40曲練習して歌いたい」と抱負を語った。

■文化の学び忘れずに

 インドネシア滞在歴が50年に迫る会員の梅村正毅さん(74)が来年から1年間活動を休むことが伝えられた。千代田化工建設時代の東カリマンタン州ボンタン駐在を振り返り、「火や水のありがたみなど、初めての地に行って、何もないところで住むために何をやらなければいけないかを学んだ」と語る。
 パーティーでは、苦しいことを忘れて夜通し飲もうと呼びかける、北スマトラ州タパヌリの民謡「リソイ」を合唱で力強く歌い上げた梅村さん。「資源が豊富なインドネシアと仲良くすることは双方にとってメリットがある。だから経済活動だけでなく、言語や文化を学ぶことを忘れないようにしないといけない」とラグラグ会で活動してきた思いを語った。(中島昭浩、写真も)

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