アジア大会で4強入りを イ野連 東都大準硬式野連と提携 技術向上、野球人口増図る

 インドネシア・アマチュア野球・ソフトボール連盟と日本の東都大学準硬式野球連盟は22日、インドネシアの野球全体のレベル向上を目的として提携することを発表した。野球技術の向上や競技人口増を図り、2018年にインドネシアで開催されるアジア大会で、中国打倒と4強入りを目指す。
 提携の調印式は南ジャカルタ・スナヤンのホテル・アトレット・センチュリー・パークで行われた。インドネシア・アマチュア野球・ソフトボール連盟のシャリル・ナウィル会長、東都大学準硬式野球連盟の長島幸雄理事長と杉山智広理事(日大準硬式野球部コーチ)、ジャカルタ・ジャパンクラブ(JJC)の福田知史理事長らが出席した。
 提携実現のきっかけを作ったのは、インドネシアの野球事情、文化・風習の調査、バリ島での大会視察や16年2月の親善試合開催などに携わった杉山理事。「(インドネシアの選手は)少年野球のように選手も観客も無邪気に喜んで楽しんでいて、(野球を始めた)昔を思い出した。上手くなりたいという気持ちも強い」と当時を振り返る。
 同理事から調査結果などの報告を受けた長島理事長は、「その熱意に後押しされた。(日本側の)選手たちの視野を広げるにも良い機会で、連盟にとって日イ野球交流の第一歩。日本で準硬式野球の知名度向上も期待したい」と提携を決めた。
 インドネシアの野球人口は、現在約5千人。全34州のうち24州でプレーされている。アジア大会に向けジャカルタでは2球場の改修が進み、国際基準でプレーできる環境が整いつつある。
 今回の提携で、技術向上と人材育成のための交流試合や野球教室の開催、雨期に強い準硬式ボールの普及を推進し、アジア大会までに野球人口を3倍に増やす。インドネシア代表チームの野中寿人監督は「中国は日、韓、台湾に次ぐ強豪だが、追いつけるレベル。他国でも見られない今回の提携を機に、国が代表強化練習の後方支援をしてほしい」と話した。
 東都大学準硬式野球連盟の選抜チームは、21日に開幕した第1回日イ友好親善野球大会「レッドソックス深谷組カップ」に参加するため来イ中。26日の総当たり戦上位2チームによる決勝後、出場した国内5クラブチームを対象に野球教室を開く。大会終了後も、少なくとも年1回、インドネシアで野球教室や交流試合を行い、アジア大会後も交流を続けていく方針。
 日イ友好親善野球大会には、スポーツ用品メーカーのナガセケンコー(本社・東京都墨田区)製の準硬式球5ダースが日大準硬式野球部から贈られた。両者は1月にもインドネシア代表に20ダース寄付した。
 雨が多いインドネシアでは、硬式球が痛みやすい難点があったが、同社製品は中身が硬式球と同じで外面はゴムに覆われており、雨に強い。杉山理事は「水を吸って重くなった硬式球は肩への負担が増し、けがの危険性も高くなる。年齢の低い世代の代表チームから徐々に導入していきたい」と語った。(中島昭浩、写真も)

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