平和愛する国民と実感 訪日の教師10人、帰国報告会
「イスラム寄宿塾教師招へい事業」で訪日した教師10人が20日、中央ジャカルタのサリパンパシフィク・ホテルで帰国報告会を行った。10日間の滞在中、日本各地を回った10人は「少しずつだが日本でハラルを理解してくれる動きがある」、「日本人は平和を愛する国民と実感した」などと感想や日本観を語った。
同事業の目的は、インドネシアのイスラム世界と日本の相互理解促進。日本政府の主催で、今年で13回目。これまでに同事業に参加した教師は総勢約150人に上る。
一行は11日に訪日し、東京、熊本、広島、大阪の順に移動した。小学校や大学など教育機関や仏教寺院の訪問、地元イスラムコミュニティーとの交流などを行い、広島では原爆ドームや平和記念公園を訪れた。20日に帰国し、そのまま報告会に出席した。
報告会でリアウ諸島州バタムにあるダルル・ファラ寄宿塾のウスマン・アフマッド塾長は「今回、ハラルに関する正しいプロセスを日本人に伝えることができた。少しずつだが日本でハラルを理解してくれる動きがある」と話した。
また、バンテン州南タンゲランのインサン・チュンドゥキワ高校スルポン校のプルサヒニ・シディック塾長は「日本の教育は子供の将来のため、どうしたら能力を伸ばしてあげられるかを考え、意欲を持たせるスタイルだと知り、参考になった」と語る。
広島訪問に触れたのは、南スラウェシ州のタナ・トラジャにあるムハマディヤ・タナ・トラジャ寄宿塾のザイナル・ムタキン・スライマン塾長。「広島を訪れ、日本人は平和を愛する国民と実感した。日本では宗教を教わることはあまりないが、調和を保つことを教えられていると知った」と話した。(江原早紀、写真も)