LCGC 7人乗り車公開 人気車より価格3割抑え トヨタ「カリヤ」 ダイハツ「シグラ」

トヨタ・アストラ・モーターとアストラ・ダイハツ・モーターは2日、西ジャワ州カラワン県のスルヤチプタ工業団地にあるダイハツの工場で、低価格低燃費車(LCGC)適用の3列シート、7人乗りMPV(多目的車)の新車「カリヤ」(トヨタ)と「シグラ」(ダイハツ)をそれぞれ公開した。国内で最も売れているMPVの「アバンザ」(トヨタ)、「セニア」(ダイハツ)よりも3〜4割ほど販売価格を抑える予定で、初めて自動車を買う購入層の新たな選択肢として定着を目指す。

 開発に投じた投資額は1・1兆ルピア。アストラ・ダイハツ・モーターが中心に開発し、トヨタは、ダイハツからOEM(相手先ブランドによる生産)供給を受け販売する。
 予定している価格帯は、トヨタのカリヤが1億2965万〜1億5千万ルピア(約100万〜115万円)、ダイハツのシグラが1億600万ルピア〜1億4900万ルピア(約80万〜115万円)。エンジン排気量は1000〜1200cc。
 年間の販売目標台数や正確な価格などの詳細は、11日から始まる自動車工業会(ガイキンド)主催の「インドネシア国際オートショー」(GIIAS)で公表するが、「将来的に(国内で最も販売台数の多い)アバンザのように選んでいただける車を目指したい」(トヨタ関係者)と期待は大きい。
 LCGCは、政府が環境に配慮した上で自動車産業の発展・普及を促すための政策で、現地調達率80%以上や燃費性能、排気量などの条件を満たせば税金が優遇される制度。これまでLCGC適用車で3列シートを採用していたのは、日産の小型車ブランド「ダットサン」のみだった。
 新車の現地調達率は94%で、既存LCGC適用車の「アギア」(トヨタ)や「アイラ」(ダイハツ)の86%より引き上げた。現地調達の引き上げ部分の詳細は非公表。エンジンやボディーの一部を日本から輸入する。メーカーに直接部品を納入する企業が178社。2次取引先は800社を超える。
 1日にトヨタの完全子会社になったダイハツの三井正則社長は本社で式典などを開かずに新車の公開式典のため来イ。三井社長はあいさつで「ダイハツとトヨタの協力体制の最初のステップ」と強調、インドネシアが重要市場ということを印象づけた。当面以前と大きく体制を変えず、ダイハツは日本で培った軽自動車の技術やノウハウを展開する。
 トヨタとダイハツのインドネシアでの協業は、2003年に発表したMPVのアバンザ、セニアの共同開発が始まり。両車の販売台数は、毎年国内全体の販売台数の2割弱を占める人気車種に成長した。
 トヨタは、11日から始まるインドネシア国際オートショーに向けて先日、MPVの「シエンタ」を発表。今回カリヤを発表し自動車の祭典を迎える。(佐藤拓也、写真も)

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