7割が2輪の事故 レバラン帰省 来年は利用規制も

 レバラン(断食月明け大祭)のムディック(帰省)で、オートバイの利用者による交通事故の多発が問題となっている。運輸省によると、自家用車は2015年から4.11%増の約240万台が利用されると予想。一方、オートバイは昨年から48.8%増の約560万台となる見込みだ。昨年の同時期に発生した3049件の事故のうち、オートバイによる事故は7割にのぼっており、運輸省は公共交通機関を使用するよう呼びかけている。

 運輸省によると15年のレバラン帰省では、自家用車237万1358台、オートバイ375万9122台が使用された。交通事故は計3049件発生し、657人が死亡。3049件のうち70.38%がオートバイによる事故だった。
 14年は事故件数が計3888件、死亡者が714人で、15年の事故件数は14年から減少しているが、オートバイの利用者は急増している。15年は14年と比べると、自家用車が約9万台増加しているのに対し、オートバイは約123万台増加していた。
 インドネシア大学(UI)の交通専門家エレン・タンクドゥン氏は事故のリスクが高いオートバイを利用する理由について、「帰省先となる地方では公共交通機関が整っていない場所が多く、オートバイが移動に最も便利で経済的」と説明する。
 政府はオートバイ利用者を減らそうと、オートバイを船や電車で運ぶ無料輸送サービスや、無料バスの運行などを昨年から実施しているが、オートバイを運ぶ帰省客は同サービスの利用者全体の10〜20%にとどまる。
 エレン氏は中央政府と地方政府が連携し、大量輸送サービスを実現する必要があると話した。
 イグナシウス・ジョナン運輸相は28日にも、「オートバイでの帰省は危険。公共交通機関を使ってほしい」と呼びかけた。さらに来年はレバラン休暇とその前後で、帰省時にオートバイ利用客が使用する道路で、通行できる時間帯を制限するなどの、利用制限の実施を視野に入れているという。(毛利春香)

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