上下水処理に新技術 阪神動力機械がアピール
北ジャカルタ区アンチョールにある「プトリ・ドゥユン・アンチョール」で18日、上下水処理に関するセミナーが開かれ、インドネシアの工場などで水処理を専門とするエンジニアら約80人が出席した。水処理設備機器などを開発・販売している阪神動力機械(本社・大阪市)が参加し、自社商品をアピールした。
阪神動力機械は水中に酸素を供給することで、水をきれいにする微生物を活性化させる水中曝気撹拌(ばっきかくはん)装置「アクアレータ」を紹介。槽内などの水底に設置し、気泡を拡散して曝気させることで、泥状で底にたまりやすい微生物を水中全体で活性化させ、均一に水処理ができる。
同社の営業部海外営業課・国際業務統括の川島裕貴主任によると、インドネシアの下水処理場や飲料や食品、化学工場などの民間の処理場では、浄水の初期段階で塩素を使用したり、空気を気泡にして送り込むディフューザーや水面に設置する表面曝気装置を使用するケースが多い。
この場合、塩素のコストがかさむだけでなく、酸素を送り込んでも水の上層部など一部でしか微生物が活性化せず、効率よく水処理ができていないという。またその水を川に流しているため、環境汚染にもつながっている。アクアレータの場合、塩素使用量が削減できるという。
同社は2014年から下水処理事業などを手がけるルンブン・テクノロジー・エンバイロタマ社と代理店契約を結び、本格的にインドネシア市場に進出。すでにアクアレータを導入している排水処理場では、管理費が50%浮いたという。川島主任は「電気代はかかるが塩素の使用量は減り、エネルギー効率も高い。より安全で美しい水になるだけでなく、コストも削減できる」と説明する。
「インドネシアには工場が多く、アクアレータを使用していただける市場は大きい。まずは民間工場の処理場などで導入し、年間10台ずつなど少しずつ販売数を伸ばしていきたい。5〜10年先には公共の下水処理場などで使用してもらえるようにしたい」と話している。(毛利春香、写真も)