戦後日本を写真で 国際交流基金が巡回展 30日まで

 中央ジャカルタ・タナアバンの南パルメラ通りにある文化施設「ブンタラ・ブダヤ」で17日、戦後から高度経済成長期までの日本の変化を写真でたどる海外巡回展「戦後日本の変容展」(主催・国際交流基金)が開幕した。土門拳氏や木村伊兵衛氏ら日本を代表する写真家11人が撮影した約120点のモノクロ写真を展示している。

 「敗戦の余波」「伝統と近代のはざまで」「新しい日本へ」の3部で構成され、木村氏の「秋田おばこ」や土門氏の「紙芝居」、細江英公氏の「薔薇刑」など著名な作品が展示されている。オープニングセレモニーには、在インドネシア日本大使館の谷崎泰明大使やブンタラ・ブダヤのフランス・サルトノ館長ら約150人が出席した。
 谷崎大使はあいさつで、戦後10年間の写真はどの世代も明るくエネルギッシュだが、その後は経済発展に伴うひずみが表現されていると述べ、「そのひずみを現在、私たちが直していると思っている。その光景を日本に見に来てほしい」と呼びかけた。
 国際交流基金ジャカルタ日本文化センターの塚本倫久所長は「日本もインドネシアと同じ時代を経てきたということで親近感をさらに持ってもらえたらうれしい」と話した。
 同展を共催するブンタラ・ブダヤのフランス・サルトノ館長は「ブンタラ・ブダヤで戦後の日本をテーマにした写真展は初めて。インドネシアでは小学校から戦争に関する学習はしてきているが、日本の戦後の様子を知るきっかけは少ない。写真展を通じて、戦後の日本の人々の生活をこの国の人々に知ってもらえたら」と期待を込めた。
 セレモニーではアカペラグループ「ジャマイカ・カフェ」が歌を、日本人DJのサトマタさんがパフォーマンスを披露し、会場を盛り上げた。
 21日午前10時からは協賛のニコン・インドネシアがインドネシア人フォトジャーナリストのフェリ・ラティフさんによるワークショップを、24日午後2時からはインドネシア大学(UI)とダルマプルサダ大学の講師を務めるスシ・オン氏が戦後日本で盛んに行なわれた「新生活運動」などをテーマに日本史レクチャーを行う。
 30日まで(22日休館)午前10時〜午後6時。入場無料。問い合わせは国際交流基金ジャカルタ日本文化センター(021.520.1266)まで。(山本康行、写真も)

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