【アルンアルン】都市化の進展と大都市圏の拡大

 2010年人口センサスで、インドネシアの都市部人口比率が49.79%となった。この数字は、全国で8万以上存在する「デサ」、「クルラハン」などと呼ばれる行政村のうち、「都市部」と認定された行政村に住む人口を全人口で割って算出してある。行政村が都市部と認定されるには、中央統計庁(BPS)が定めた必要条件を満たすことが求められてきた。1980年人口センサスからは、人口密度、都市的施設へのアクセスの利便性、非農業従事世帯の割合などをポイント化して判定を行った。判定基準にはセンサスごとに変更が加えられたが、都市部人口比率は、1961年の14.8%から着実に増加し、2010年にはほぼ50%となった。
 都市部への人口集中の結果、今では100万人を超える人口を持つ市(ジャカルタ首都特別州はここでは1市と数える)が16市存在し、直近の10年センサス時から5市も増加している。10年センサス時は、ジャワ島内のジャカルタ、スラバヤ、バンドン、スマランの4主要市に首都圏内の衛星都市4市(ブカシ、タンゲラン、デポック、南タンゲラン)を加えた8市と、ジャワ島外の3市(メダン、パレンバン、マカッサル)が100万人を超えていた。ここ6年間で、スマトラ島の3州都(バンダル・ランプン、プカンバル、パダン)、自由貿易地域に位置する市(バタム)、首都圏内で最後に残った衛星都市(ボゴール)が新たに仲間入りした。
 都市化と交通網の発達は通勤・通学圏を拡大し、自治体の境界線を越えた大都市圏の形成を促進してきた。ジャワ島では、ジャカルタ首都特別州にその衛星都市5市と隣接3県を加えた「ジャボデタベック(首都大都市圏)」、東ジャワ州の2市5県からなる「グルバンクルトスシラ(スラバヤ大都市圏)」、2市3県からなる「バンドン・ラヤ(バンドン大都市圏)」がよく知られている。ジャワ島外でも、メダン市を中心に2市1県を擁するメビダン(メダン大都市圏)のほか、いくつか存在する。10年センサス時点で、これら4大都市圏の人口はそれぞれ2796万人、912万人、789万人、413万人に上っていた。
 世界の10大都市圏の一つにジャボデタベックを入れている統計をよく目にする。欧米の大都市圏人口の伸びに限界が感じられる中、インドネシアの大都市圏は確実に膨張し続けている。(高橋宗生・JETROアジア経済研究所図書館勤務)

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