汚泥脱水機の案件化調査 横浜市のジャステック バタム市の下水処理場で

 汚泥脱水機の開発・製造をしているジャステック(本社・横浜市港北区)は、同社の脱水機を使って、リアウ諸島州バタム市の機能不全に陥っている下水処理施設の処理能力を大幅に改善する事業の案件化調査に入った。第1回の現地調査をこのほど終え、8月〜9月に実機の20分の1の大きさのデモ機を設置し、改善の具体的効果を調査する。

 国際協力機構(JICA)の「中小企業海外展開支援事業〜案件化調査」の一つで、成果が確認されれば、次の段階の「普及実証調査」に応募する。
 現地調査したのは、バタム市が運営する下水処理場で、1990年代に建設された当初は、1日2850立方メートルの処理能力があったが、現在は同400立方メートルに低下している。案件化調査では、同社のデモ機で、下水処理施設に流れ込む家庭からの汚泥を前処理し、水分と固形物に分離、処理施設に流れ込む汚水の負荷量を大幅に低減させ、処理能力を当初の水準近くにまで回復することを狙う。
 バタム市は昨年5月にバタム島の都市開発に横浜市が協力することや両都市間の経済活動を活性化する目的の覚書を締結、同年8月には横浜市内の企業の視察団が訪問し、具体的な協力案件を探ってきた。ジャステックの案件は、両都市間の覚書に基づく初の事業となる。
 ジャステックの室田佳昭社長らによると、インドネシア国内では、公共事業省設計の下水処理施設だけでもおよそ200カ所あり、バタム市と同様な問題に直面している処理施設がかなりあるという。
 同社は、養豚場などからの畜産汚物の前処理脱水機メーカーとしてスタート、その後工場用排水処理の分野に進出。国内でおよそ800台の納入実績を持つが、輸出の実績はまだない。
 同社が持つ前処理技術は、下水処理に苦しむ途上国でも活用できるとし、案件化調査に応募、採用された。
 普及実証調査事業として採用された場合には、最大3年間のスキームを利用し、公共下水処理施設だけでなく、民間の工場用下水処理設備として売り込みを図る考え。(西川幸男、写真も)

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