小・中学生と遊んで交流 サザンクロスとメールクワイヤー
在留邦人の混声合唱団「サザンクロス」と男声合唱団「メールクワイヤー」は1日、西ジャワ州ブカシ市バンタルグバン郡にある、貧困層の子どもを支援する学校「アル・ファラー」を訪問した。集まった小・中学生32人にゲームを通じて日本語を教え、互いに歌も披露し交流を深めた。
団員が折り紙で作った「勲章」を全員首から下げ、5グループに分かれて日本語を教えた。初めに勲章の色で赤や黄、緑など「色」の日本語を学び、続いて勲章や服の色を声に出して、その色の人にボールを投げたり、椅子を取り合う「フルーツバスケット」でフルーツの代わりに色でグループ分けした後、椅子に見立てた新聞紙の場所を取り合うゲームを行った。
また折り紙で鶴、新聞紙でかぶとや紙飛行機を折ったほか、折り紙で作ったコマを回したりもした。大人から子どもまで互いに夢中になって遊び、笑い声が響いた。
同2団体は、約2年前から3カ月に1回ほど同学校を訪れており、「僕たちもいつも来るのを楽しみにしてるんです」と団長の加藤一男さんは話す。2月にジャカルタで開いた第4回ジョイントコンサートでは、小・中学生を初めて招待。団員の名前や、これまでに教えた日本語や折り紙の折り方を覚えている子どももいた。
メンバーの1人で10年前にインドネシアに在住していた渡辺由美さんは「昨年インドネシアに戻ってきて、街が経済成長とともに大きく変化したことに驚いたが、その中で取り残された子どもたちがいる。一緒に楽しんで日本語を学べるようゲームなど工夫して考えた。大人になってから、少しでも心に残っていればうれしい」と話した。
最後に団員が日本語とインドネシア語、英語で「インドネシア・プサカ」と「ラスカル・プランギ」、カーペンターズの「シング」の3曲を、子どもたちは日本語で「未来へ」を披露。互いに歌を歌い合った。
同校では毎週土曜か日曜に日本語を教える授業を開いている。元日本留学生で日本語を教えているリスカ・ズライカさんは「子どもたちの輝く目を見ると、疲れていても苦にならない。教えながらパワーをもらっているのはこちらのほう。子どもが日本語の授業に来てくれるよう楽しい学校にしていきたい」と笑顔で話した。(毛利春香、写真も)