日本文化のキャラバン隊 日本語パートナーズ9人が結成 東ジャワ州で6回開催
インドネシア人日本語教師の補助役に日本語ネーティブを国内各地の高校に送る「日本語パートナーズ」の第3期生が5月に任期を終えて帰国する。帰任を前に東ジャワ州に派遣された日本人パートナーズが「キャラバン隊」を結成。州内各地で日本文化を紹介する活動を行った。
キャラバン隊は、普段は東ジャワ州に散らばっているパートナーズ9人で構成。これまでパートナーズの赴任先のスラバヤやマラン、シドアルジョなど6カ所にある高校で実施した。計約1700人が来場し、盛り上がりを見せた。
キャラバンでは、日本語や日本文化に関するクイズをはじめ、ドラえもんやアラジンが登場する独自のミュージカルなどを演じた。地元の学生も、ソーラン節や日本の歌を披露するなどして、日本語を積極的に使って、普段の日本語学習の成果を発揮した。
東ジャワ州マランに赴任している小川ゆう紀さんは「普段は1人で活動しているが、日本人9人が集まることは東ジャワでは珍しく、生徒と教師の盛り上がりがすごかった」と話す。開催地以外からも日本語を学ぶ生徒が駆けつけ、スラバヤのキャラバンには約500人が来場した。
これまで地元高校の文化祭にパートナーズが出し物などで協力することはあったが、パートナーズが主体となって大きな催しを開くのは初めての試み。小川さんは「とても有意義な経験だった」と振り返る。
一方で、開催にこぎつけるまでには各地の学校との日程調整や、学校関係者へのあいさつ回り、書類の提出で四苦八苦することもあった。スラバヤに赴任している中畠綾子さんは「関係者に相談する順番も考えなければいけないと分かりました」と苦笑い。だが、生徒、先生からの協力は大きく、中畠さんはキャラバンの成功について「パートナーズが地域に受け入れてもらえたからこそ」と感想を話した。
小川さんら第3期生は5月中に全員が帰任する。次回は第5期の74人が7〜8月に来イする予定だ。
日本語パートナーズ 国際交流基金が主催し、2014年から実施。インドネシアにはこれまで第1〜4期の計122人が派遣されている。当初は首都圏(ジャボデタベック)の高校が対象だったが、ジョクジャカルタ特別州などジャワ島各州をはじめ、北スマトラ州メダンや南スラウェシ州マカッサルなどにも派遣地域を拡大させている。2020年までにアジアの国々に約3千人を派遣する。(藤本迅)