初のエンジン一貫生産 アジア地域5カ国へ輸出 トヨタ 年産能力41万基超

 トヨタ・モーター・マニュファクチャリング・インドネシア(TMMIN)は7日、西ジャワ州カラワン県のカラワン・西ジャワ工業団地(KJIE)で2014年2月から2・3兆ルピア(約205億円)を投じ建設を進めていた「カラワンエンジン工場」の開所式を開いた。トヨタ自動車として初めてエンジンの一貫生産を実現。年産能力は21万6千基で、北ジャカルタ・スンタル工場の19万5千基と合わせ計41万1千基になる。車両のみならずエンジン生産・輸出拠点として位置付けていく。
 これまでのエンジン鋳造工程は大型設備と広大な作業スペースが必要なうえ、工程でヤニやチリ、熱が悪影響を及ぼすため、その後の工程と別々に建設していた。しかし今回、鋳造に使用する砂の種類変更などの生産技術を導入。トヨタ自動車の嵯峨宏英専務は、鋳造・機械加工・組み付けを一つの建屋に集約した世界初のエンジン工場と強調した。工場設備の初期投資額は2008年と比べて4割低減した。
 TMMINの五つ目の工場で、広さは20ヘクタール。アルミ製で軽量化し燃費を同じ排気量のモデルより10%高めた「R―NRエンジン」(排気量1・3〜1・5リットル)をことし2月から新工場で生産し、約半分を輸出に充てる。野波雅裕TMMIN社長は「アジア地域5カ国が輸出先」と説明。「報道されている新港建設は輸出入の促進において歓迎すべきこと」と話した。
 エンジン輸出は1988年から始まり、これまでにアジアやアフリカ、中東、南米など計70カ国に輸出してきた。95〜96年にキジャンに使用された「7Kエンジン」の現地調達率は45%だったが、「R―NRエンジン」は8割に達した。部品取引先は12社増の135社。開所に伴い約400人を新規雇用した。
 サレ・フシン工業相は式典で「国内の8千万〜9千万人が中間層となった。国は投資誘致と産業促進を強化していく。インドネシアをタイをしのぐ生産拠点にしてほしい」と期待を込めた。(中島昭浩、写真も)

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