サービス業は「人材産業」 ジェトロ 日イの経営者が講演
日本貿易振興機構(ジェトロ)は22日、中央ジャカルタのホテル・インドネシア・ケンピンスキで日イのサービス産業5社による講演会を開いた。両国の経営者が業種を超えてノウハウや経験を共有した。
国内71カ所、海外21カ所に事務所を展開しリゾートウエディングを数多く手掛けるワタベウェディング(本社・京都市)の梶明彦顧問によると、日本のウエディング産業は5兆円規模に上る。
ウエディング産業は「人材産業」と語る梶氏は、同産業ではウエディングプランナーの役割が最も大切と強調。サービス業は、ゴールがなく常により良いものを求める「改善」への努力と、顧客の期待を超えるサービスの「おもてなし」の精神が強みになると語った。
同社は2013年、バリ島ヌサドゥアのホテル内に自社挙式会場のチャペルを開いている。
梶氏はチャペル建設で「一番重要視したのは引き渡し(完成)の時期」と振り返り、ウエディング事業は季節性が強く、時期を逃さないことが大切だと指摘した。
現地への適応がカギ
「すし亭」や「寿司キオスク」、「ペッパーランチ」などの日本食を含む外資系レストラン116店をインドネシア12都市で運営するボガ・グループのクスナディ・ラハルジョ社長は、国内での日本食人気の要因を、焼いたり蒸したりする調理法が多い健康的なイメージと分析した。また「新しい店ができるペースが非常に速い」と説明。最近は、さまざまなメニューを提供する日本料理店から、すしやラーメン、てんぷらなどそれぞれのメニューに特化した専門店へ移る細分化の傾向があるという。今後参入の余地がある分野として日本各地の郷土料理やたこ焼き、お好み焼き、かき氷などのストリートフードを挙げた。
クスナディ氏は外食産業への外資の参入では、インドネシア人のライフスタイルに適応させることがカギと強調。成功事例として、インドネシアオリジナルの「フライドチキンとご飯、サンバルのセット」が好評のマクドナルドを紹介し「海外に参入する場合、その国の人の好みに合わせて(メニューを)調整していくことが大切」と話した。ハラル認証についても理解を深め、取得するべきだと語った。(木村綾、写真も)